9月24日放送のチコちゃんに叱られる!で
レインコートを「かっぱ」というのはなぜ?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!レインコートを「かっぱ」というのはなぜ?
レインコートを「かっぱ」というのはなぜ?
答えは、戦国武将がポルトガル語をマネしたから
詳しく教えてくださるのは
16世紀の日本とポルトガルの交流について詳しい
熊本県立大学 名誉教授
馬場 良二 先生(ばば りょうじ)
- レインコートを「かっぱ」というのは 戦国武将たちがポルトガル語をマネしたからです
- ポルトガル語の辞書を調べるてみると capa:マント、ケープ、レインコートとあります
- この言葉が入ってきたのは 16世紀半ばに始まった南蛮貿易のころです
- 16世紀~17世紀にかけてスペイン人やポルトガル人などヨーロッパの人々が南蛮船に乗り日本を訪れるようになって始まった南蛮貿易
- 鉄砲をはじめ 生糸や絹織物が輸入されるようになりました
- かっぱが日本に入ってくる前の雨具は…
- 庶民が使っていた藁(わら)を編んだだけの蓑(みの)
- 武士や僧侶などが使っていた柿渋などを和紙に塗ったカミ子(かみこ)と呼ばれる羽織でした
- そこに日本にない新たな雨具としてポルトガルから「かっぱ」が入ってきたのです
- こちらに描かれているポルトガル人たちが着ている外套(がいとう)
- これも「かっぱ」
- 彼らは防寒着としてだけではなく雨具 つまりレインコートとしても使っていたといいます
- 当時「かっぱ」は西洋のものでしたから…
- 高級品で それこそ戦国武将として名が知れた人ぐらいにしか手にすることができなかったものなんです
- 中でも「かっぱ」を日本中に広めるキッカケとなった代表的な人物
- それが 織田信長
- 当時 宣教師として日本に来ていたルイス・フロイスの記述を見てみると…
- 信長への贈答品の中に「緋色の合羽(カーパス・デ・グラン)」があったと記されています
- みなさんも織田信長といったら…
- マントのようなものを着ているイメージありませんか?
- これ「かっぱ」です
- 織田信長が登場する大河ドラマ全18作の衣装を確認してみると…
- 反町隆史さんの信長も「かっぱ」
- 江口洋介さんの信長も「かっぱ」
- このように織田信長というと「かっぱ」をまとったイメージになっています
- 先生は戦国時代 織田信長をはじめ さまざまな戦国武将が「かっぱ」を愛用していたのではいかといいます
- 上杉謙信や豊臣秀吉が着用したとされる「かっぱ」は今も残っていますよ
- こちらは上杉謙信が愛用していた「かっぱ」
- そして こちらは豊臣秀吉が愛用していた「かっぱ」
- しかし なぜ戦国武将はカッパを愛用したのでしょうか?
- 「それは 温かいからじゃないですか」と先生はおっしゃいます
- まず襟ですね 確かに「かっぱ」には襟が付いていますが…
- 当時日本の着物には 首を覆うような襟というものはありませんでした
- さらに もう一つ
- 素材ですね 当時 日本の着物の主な素材は麻や今の物より目が粗い絹のつむぎでした
- 一方 当時「かっぱ」に使用されていた主な素材は天鵞絨(ビロード)と呼ばれる起毛のふわふわしたもの
- そして日本初登場となる新素材 羅紗(ラシャ)
- ウールです
- ウールはとにかく温かく そして油分あるため雨もしっかりはじきます
- ちょうど その頃に書かれた日記(上井覚兼日記・伊勢守日記)には…
- 「かっぱ」とは蓑のように雨に降られても苦にならない上着ですと書いてあり
- 現在でいうレインコートとして説明されています
- 当時 日本にないものだったのでポルトガル語のcapaを そのまま使用したんです
- さらに当時の武将たちは このウールを使い「かっぱ」をマネた合戦の場で着る陣羽織も作り…
- 天下統一を目指す武将たちは「かっぱ」のように襟もつけ
- 雨風をを避けるとともに豪華さや見栄えを競ったともいわれています
- その後 江戸時代になるとポルトガル語の「かっぱ」は合うに羽と書いて「合羽」という感じが当てられ庶民の間に広まりました
- 以来300年 日本語として使われているのです
- ところでポルトガルの方は 現在「かっぱ」という言葉を使っているのでしょうか?
- 日本にお住いのポルトガル人 パウロ・ドゥアルテさんに聞いてみました
- 番組D「おうちに かっぱ はありますか?」
- パウロさん「かっぱ ありますよ これです」
- とパウロさんが見せてくれたのはクッションカバー?
- パウロさん「クッションカバーのことは かっぱ というんです ちなみに これも かっぱ 」
- と言って出したのは 本のカバー
- パウロさん「ものを覆う カバーする というのは かっぱ なんです」
- ポルトガル語の「かっぱ」は ものを覆うものという広い意味で使われていました
- 本当の気持ちを笑顔で覆い隠す つまり作り笑いのことも「かっぱ」というそうです
- カッパは漢字で合う・羽と書きますが…
- これは鳥が羽を合わせたように見えるから「合羽(かっぱ)」と書くようになったとも言われています
チコちゃんに叱られる!レインコートを「かっぱ」というのはなぜ? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!レインコートを「かっぱ」というのはなぜ?
について情報発信させていただきました。