3月8日放送のチコちゃんに叱られる!で
別れるときに「さようなら」というのはなぜ?
という質問がありました。
「さようなら」というのは別れのあいさつですが「今日は終わりで帰るから」や「また、今度あおうね」ということ以外に、何があるのか、聞かれてみると何でだろうと思いました。
チコちゃんに叱られる!別れるときに「さようなら」というのはなぜ?
こたえは「これまではこうだったんだから、そうであるならば、この後は…ね」
という意味が込められているらしいのですがよくわからないので調べてみました。
鎌倉女子大学 竹内整一 教授の解説では
そもそも、日本語の別れの言葉「さよなら」というのは、世界でも
非常に珍しい言葉遣いなんです。
なぜかというと、もともと「さようなら」という言葉が「さようであるならば」という意味で「さらば」「さようならば」という接続詞だったからだそうです。
たとえば平安時代初期の物語「竹取物語」には
『竹取物語 現代語訳対照・索引付』より
- 原 文➀:をのこども申すやう、
- 現代文➀:男どもが言うには、
- 原 文②:「さらば、いかがはせむ。
- 現代文②:そういうことであるならば、しかたありません。
- 原 文③:困難なものであっても、
- 現代文③:難しいことであっても、
- 原 文④:仰せ言に従ひて
- 現代文④:ご命令にしたがって
このときの、原文の「さらば」が、現代文の「そういうことであるならば」だそうです。
いいかえると、原文➀をうけて、原文③から④につなげるため、純粋な接続詞だそうです。
この接続詞が、別を含んだシーンでも多く使われていたそうです。
同じ時代の平安時代中期の物語「源氏物語」を見てみると
「正訳源氏物語 本文対照 第一冊」より
- 原 文➀:世を背きぬべき身なめり
- 現代文➀:出家するしかないぞ
- 原 文②:など、言ひおどして、
- 現代文②:と言われ、
- 原 文③:「さらば
- 現代文③:そういうことであるならば
- 原 文④:今日こそは限りなめれ」
- 現代文④:きょうでお別れです
このときの、原文の「さらば」が、現代文の「そういうことであるならば」にあたるそうです。
接続詞の、「さらば」は別れを意味する文章の前に使われていて、別れの表現のなかで、多く使われるようになってきて「さらば」、「さようならば」が別れというイメージになったそうです。
接続詞の「さらば」「さようならば」の後ろにある別れを意味する文章「きょうでお別れです」が省略され後に続く言葉がなくなり「さらば」、「さようならば」の「ば」も省略され「さようなら」になったそうです。
日本人は別れるとき、一度立止って確認しその次に進む節目と考えていたそうです。
だから「さようなら」という接続詞がいろいろな意味を含む別れ言葉になったそうです。
「今までは○○だったから、そうであるならば この先は✖✖しよう!」という意味で「さようなら」を使うそうです。
世界の言葉で「さよなら」は?
チコちゃんに叱られる!別れるときに「さようなら」というのはなぜ?まとめ
今回は、チコちゃんに叱られる!別れるときに「さようなら」というのはなぜ?
について情報発信させていただきました。
「さようなら」には、日本人のアイデンティティーがつまっていることがわかりましたね。