6月7日放送のチコちゃんに叱られる!で
お刺身はなぜ”刺し身”?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!お刺身はなぜ”刺し身”?
お刺身はなぜ”刺し身”?
答えは、刺していたから
詳しく教えてくださるのは
日本の食の歴史といえばこの方
東京・練馬区 食文化史研究家
永山 久夫 先生(ながやま ひさお)
- 刺身の由来を語るときに外せないのが膾(なます)という料理でした。
- 膾とは川魚を細切りにして酢につけて食べる料理でした。
- 膾は奈良時代の歴史書「日本書紀」にも登場し最古の和食と言われているのです。
- 川魚は生臭いので 生臭さを消すためにあえて細切りにして酢に絡ませて食べるのです。
- しかし室町時代 この膾の作り方に大きな革命が起こりました。
- それは 醤油の誕生です。
- 室町時代に醤油が普及し始めると醤油の持つ深いコクと香りで川魚の生臭さを十分に打ち消すことができるようになりました。
- そのため 醤油の誕生以来 人々は魚をより分厚く切り 味や食感を楽しむようになっていきました。
- そこで 細く切った魚=膾(なます) 大きく切った魚=刺身というようになりました。
後の江戸時代の百科事典「和漢三才図会」にも
- 「肉塊細切爲膾」(肉を細く切ったものが膾)
- 「大切爲斬」(大きく切ったものが刺身)
と書かれています。
- でも普通大きく切った物は切り身ですがなぜ切り身ではなく刺身になったのでしょうか?
- 刺身が誕生した時代というのはちょうど戦国時代の初期頃です。
- 武士が強い力を持っていて 刀で切られるということを連想する切るという言葉は死を意味するので 名前に付けることはタブーでした。
- そこで「切る」と同じくらい重要だった「刺す」という動作から名付けられました。
- はて 刺身を作るときに「刺す」ことなんてあったでしょうか?
- 昔の刺身を作っている様子を見てみると 何やら箸のような物を刺して魚を固定しながら切っているように見えます。
- これは包丁式と言われる伝統的技法です。
- もともと平安時代 神にささげる料理を作る際に行われていたものです。
- 包丁式は神に捧げるものなので直接手を触れることがないように包丁と箸だけですべての工程をおこなって魚をさばいていきました。
- 包丁式は 現在でも神への儀式として一部で受け継がれているのです。
- 包丁式は 儀式的な側面が強いのですが この技法は人の体温が伝わらず生魚の鮮度を損なわないという利点があり これによって刺身という言葉もだんだん広がっていきました。
- 包丁式のように箸を刺していたので刺身と呼ぶようになったのです。
- 刺身に刺したのは箸だけではなくて魚のヒレも刺しました。
- ちょうどこの頃 流通網の発達から内陸の京都でもさまざまな海の魚が食べられるようになりました。
- 海の魚の種類はどんどん増えていきました。
- そこである問題が 鯉と鯛を刺身にしたときに区別がつきにくいということでした。
- 鯉は川魚のため比較的簡単に入手できるのですが鯛は運搬が大変で貴重品でした。
- そこで 有難みを感じる意味で貴重品の鯛をしっかり区別するために刺身にした魚のヒレを刺して魚の種類を見分けしていました。
- では 刺身のことをお造りというのはなぜでしょうか?
- 永山先生に聞いてみました。
- 「お刺身の” 刺す ”も縁起が悪いと思った人たちは”料理を造る”という意味を込めてお造りと呼び始めたのが起源です。」
- 縁起という意味では鰻もそうですね。
- 諸説ありますが切腹を嫌う意味で 関東背開き 関西腹開きも そうですね。
チコちゃんに叱られる!お刺身はなぜ”刺し身”? まとめ
今回は、チコちゃんに叱られる!お刺身はなぜ”刺し身”?
について情報発信させていただきました。