3月12日放送のチコちゃんに叱られる!で
スキージャンプのK点ってなに?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!スキージャンプのK点ってなに?
スキージャンプのK点ってなに?
答えは、昔は「極限点」だったけど 今は「建築基準点」になりました
詳しく教えてくださるのは
長野オリンピック スキージャンプ団体 金メダリスト
全日本スキー連盟 理事
原田 雅彦 先生(はらだ まさひこ)
- 番組D「原田さんといえばK点というイメージがあるんですけど」
- 原田さん「はい あの~私 本当にK点に思いがあるんですけど」
- K点というのは ジャンプ台の踏み切り台から斜面の120m先のことです。
- スキージャンプはジャンプ台の大きさによって種目がわかれており…
- ラージヒルの場合 踏切台から120m先のポイントをK点と呼んでいます。
- このK点を有名にしたのが1994年におこなわれたリレハンメルオリンピック(ノルウェー)
- 1人目の西方選手がK点を大きく越える135mの大ジャンプ。
- 続く岡部選手も133m。
- 実況「K点を完全に越えました」
- 3人目の葛西選手も120mとK点を連発。
- 実況「K点までは来ました」
- 日本は2位のドイツを大きく引き離し 最後の原田さんが105mさえ越えれば金メダルという状況に。
- 原田さん「なにも考えられなかったというか とにかく冷静でいられなかったんだと思います 今 思えば」
- 前年の世界選手権も優勝し名実ともに日本のエースだった原田さん。
- 普段であれば120mのK点越えなど珍しくもありませんでした。
- 実況「高い!来るか!うぁ~!途中で落ちたか!失敗したジャンプ しかし どうか距離は97m50 日本 銀メダル」
- K点に届かず。
- 原田さん「まぁ~ 頭が真っ白になったですね チームメイトがね 励ましの声をかけてくれたんで 立ち直ることができましたけども ものすごい つらかったですね」
- そのK点のトラウマを払拭するかのように4年後の長野オリンピックでは。
- 実況「K点以上飛べばトップに出てくる 今度は高いか! 高い! 高くて! 高くて! 高くて! 高くて! いったー! すっごい大ジャンプだ! 原田~!」
- K点を大きく越える137mの大ジャンプでチームの優勝に貢献。
- みごと 金メダルに輝きました。
- そんな原田さんのスキージャンプ人生を大きく変えたK点ですが。
- もともとK点は ドイツ語のKritischer Punkt(クリティッシャー・プンクト)の略で。
- これ以上 飛ぶと危険という極限点という意味なんです。
- K点越えとは 危険を伴うほどの大ジャンプということなんですね。
- ジャンプ台はK点境に斜面が緩やかに設計されているため…
- k点を越えると着地が難しくなり 大きな転倒につながる危険性があったのです。
- 番組D「原田さん K点越えのジャンプって そんなに危険なんですか?」
- 原田さん「K点を越えるというのは ある意味 命懸けのことなんですよ 雪が積もって白くなってるジャンプ台だと よくわかりにくいと思いますが 夏場のジャンプ台を見れば その怖さがわかると思います」
- こちら右側が原田さんらが金メダルを獲得した長野オリンピック(日本)ラージヒルのジャンプ台。
- そのスタート地点からの景色を見てみると。
- 想像以上の高さです。
- それも そのはず 実は この高さ東京タワーのメインデッキとほぼ同じ138m。
- そのメインデッキからの景色がこちら。
- そしてK点の位置は ここ。
- これは確かに命懸けです。
- つまり 原田さんの長野オリンピックでの137mの大ジャンプは…
- メインデキッキから勢いよく滑り落ち 上空86mの地点でジャンプ。
- そこからは100km/h以上のスピードで 東京の街を滑空。
- その勢いのまま地面にドカンと着地。
- K点越えのジャンプは人が命綱を付けずに東京タワーのメインデッキから…
- およそ200mの距離を猛スピードで落ちていく ということなのです。
- でも このK点を越える選手が続々と現れたんです。
- その大きな要因の1つがV字飛行だと思います。
- 1960年代後半 ジャンプのスタイルはスキー板を揃えて飛ぶクラシックスタイルが主流。
- ラージヒルのK点を越えることは ほとんどありませんでした。
- 1990年代に入ると 板をV字にして飛ぶV字スタイルが登場。
- スキー板を広げることで風を受ける面積が大きくなり その結果 選手を上に押し上げる力が増え飛距離は飛躍的に伸びたのです。
- 実際1998年の長野オリンピックで活躍した日の丸飛行隊は深い前傾のV字飛行でK点越えを連発。
- 選手の滑空技術や着地技術もドンドン進化したので K点を越えるということは …
- そんなに危険ではなくなりました。
- なので長野オリンピックの6年後の2004年に極限点という意味のK点は無くなってしまいました。
- 「K点越えの大ジャンプ」とは今 言わなくなりました。
- そこで もともとK点が意味していた これ以上飛んだら危険であるという極限点は…
- 140m付近まで延長 その呼び名は?
- 実況「葛西! 飛び出しました! 持ってこい葛西! お~! やった~! 決めた~! ヒルサイズジャンプを持ってきました! 葛西憲明!」
- 今は約140m越えの大ジャンプは 安全に着地できる目安となる地点という意味のヒルサイズ越えというようになりました。
- そしてK点は極限点を意味するKritischer Punkt(クリティッシャー・プンクト)から…
- そのジャンプ台が何m飛行可能な設計になっているかを示すKonstruktionspunkt(コンストルクティヨスプンクト)という建築基準点に変更。
- 番組D「K点越えって言わなくなるのは ちょっとさみかったりしますか?」
- 原田さん「どんどん距離が伸びるということでスキージャンプが ドンドンドンドン進化して まぁ うれしいことですよ」
- 番組D「本当にさみしくないですか?」
- 原田さん「いや 少しだけ ちょっと さみしい」
チコちゃんに叱られる!スキージャンプのK点ってなに? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!スキージャンプのK点ってなに?
について情報発信させていただきました。