2月12日放送のチコちゃんに叱られる!で
スーパーで売っている鮭とサーモンはなにが違う?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!スーパーで売っている鮭とサーモンはなにが違う?
スーパーで売っている鮭とサーモンはなにが違う?
答えは、生で食べられるのがサーモン 生で食べられないのが鮭(さけ)
詳しく教えてくださるのは
鮭やサーモンについて研究している
鹿児島大学 水産学部 教授
佐野 雅昭 先生(さの まさあき)
- 鮭とサーモンは生物学的に区別はありません つまり鮭もサーモン同じ魚なんです。
- スーパーなどで見かける鮭の代表的なものは銀鮭、白鮭、紅鮭など。
- サーモンにはアトランテッィクサーモンやトラウトサーモンなどがありますが。
- 全て同じサケ科の魚。
- これは国産や輸入モノという意味で使い分けている訳ではありません。
- 実はサーモンと呼ばれている魚は養殖モノで生で食べられるですけども…
- 鮭と呼ばれている魚は天然モノで生では食べられないんです。
- これを知らずに同じモノだと食べると ちょっとよろしくないんですね。
- 鮭は生では食べられない!? いったい なぜなのでしょうか?
- それは天然モノである鮭にはアニサキスなどのいろんな寄生虫がいる可能性があるからです。
- アニサキスとは魚介類を介して人に感染する寄生虫。
- 天然の鮭にはエサにしているプランクトンからアニサキスが寄生している可能性があります。
- 生のまま食べるとヒトにも感染する可能性があり…
- アニサキスが胃や腸にを噛みつき 早ければ数時間で腹痛や嘔吐などの症状が現れてしまいます。
- きちんと熱処理をすれば死滅するので焼いたり 煮たりすれば問題はありません。
- 一方 養殖モノのサーモンは人工飼料のエサを食べるためアニサキスに感染する心配はほぼなく 生で食べても問題ないとされています。
- いや実はね この鮭とサーモンという分類方法は日本だけのものなんです。
- 海外では加熱して食べるときも生で食べるときも どちらもサーモンと呼んでてて特に区別していないんですよ。
- これは日本の寿司文化というのが大きく影響してると思います。
- 江戸時代 主に北海道や東北地方で取られていた鮭が産卵のために海から故郷の川へ帰ってくるという習性を発見します。
- 江戸時代中期からは その習性を利用して戻ってきた鮭を囲い産卵期には漁を禁止して保護するので全国に出荷できる量の鮭を安定して確保できるようになっていきます。
- そして生のままでは傷んでしまうため 保存の利く塩漬けにした鮭が全国に広まります。
- 江戸時代は食事が朝・夕の2回。
- 朝食に量を多く食べる習慣があった中 お米によく合う塩気のある鮭が好まれ 鮭の塩焼き が朝の定番となっていきました。
- 昔の日本では鮭は焼いて食べるモノ ようは生で食べないというイメージが強かったため…
- お寿司屋さんなどで扱われることは長らくありませんでした。
- その証拠に ほんの35年前に発売された シブがき隊のヒット曲「スシ食いねェ!」では…
- 中トロ コハダ アジ アナゴ 甘エビ しめサバ スズキ ホタテ アワビ 赤貝 ミル貝 カツオ カンパチ ウニ イクラ タコ イカの耳 タイ 子持ちのワカメ ヒラメの縁側 カズノコ のり巻 小柱 キス 玉子 ネギトロ タクアン 梅巻
- 歌詞の中に28種類も寿司ネタが登場するなか 鮭は入っていません。
- 生の鮭を食べるようになったのは わりと最近なんですよ。
- およそ35年前に生で食べられる鮭を日本に持ち込んだ人物が現れたんです。
- その人物とは?
- 1人のノルウェー人
- 今回 番組では その方にコンタクトを取り なんとご本人にお答えいただきました。
ここから詳しく教えてくださるのは
はるか8,300km以上離れた北欧ノルウェーから当時の思い出を話してくださいました。
トロムソ大学 経済学部研究員
ビョーン・エイリック・オルセン さん
- 「こんににちは はじめまして チコちゃん」
- 「私が日本に生で食べられる鮭を広めました」
- 35年前にノルウェー政府は養殖鮭を日本に売りに行きました。
- 鮭が育ちやすい環境が整っているノルウェーは 世界に先駆けて生で食べられる鮭の養殖に成功した国でしたが 1980年代各国が養殖業に力を入れ始めたことで市場の取り合いが激しくなり ノルウェーには新たな輸出先が必要となりました。
- そんなとき日本で生の魚が食べられていることを知りました。
- そこで目を付けたのが 寿司大国 日本。
- 世界でも珍しい生で魚を食べる文化を持つ国で養殖鮭を食べてもらえれば新たな市場開拓ができると考えたのです。
- オルセンさんはノルウェー政府に依頼され生の鮭を売るために日本全国を駆け回ります。
- まず オルセンさんの狙いは高級寿司店でした。
- 「この鮭は養殖なので生で食べられます 是非買ってください」
- 「鮭を生で食べるなんてとんでもねぇよ! 第一色が変でまずそうじゃねぇか! こんなもんだせるか!」
- このとき持込んだ養殖の鮭は天然の鮭に比べて身の色が白っぽい物。
- 寿司職人には 「生の鮭は食べられない!」という固定観念があり断られました。
- さらにスーパーでも販売を試みますが なかなか生の鮭は受け入れてもらえませんでした。
- しかし 売り込み始めて およそ4年 オルセンさんに転機が。
- そのころ日本に回転寿司が増えたんです。
- そう 回転寿司店の普及です。
- 回転寿司なら回ってる生の鮭を見て 子どもでも手にとってもらえると思ったんです。
- もともと高値で売ろうと高級寿司店を中心に売り込んでいたオルセンさんでしたが…
- 狙いを回転寿司店に変更。
- まずは美味しそうに見た目にこだわる養殖鮭の身の色を改良しました。
- 以前 チコちゃんに叱られるでも紹介したエビやカニなどにもはいっているアスタキサンチンという色素を含んだものをエサに加え 天然の鮭に近い鮮やかなオレンジ色の養殖鮭を作りました。
- さらに オルセンさんは あるアイデアを思いつきます。
- 天然の鮭と養殖の鮭は違うと区別してもらうため 日本では何か違う名前をつける必要があると考えました。
- 僕は生で食べられる鮭をカタカナで「サーモン」と呼ぶようにしました。
- すると新しいメニュー開発に取り組んでいた回転寿司店がサーモンを受け入れ…
- やがて回転寿司には欠かせない定番ネタになったのです。
ここから詳しく教えてくださるのは
佐野 雅昭 教授
- こうして日本では加熱して食べる天然モノのことを鮭 生で食べる養殖モノのことをサーモン。
- このような呼び方の使い分けが出来てきたんですね。
- ただし法律で定められているわけではありません。
- あくまでスーパーなどで売られている際の一般的な呼び名です。
- パックで売られている切身の鮭の名称に関わらず加熱用なのか生食用なのかということは きちんと表示を確認して あるいはお店に確認をして おいしく安全にいただいてください。
- ここでオルセンさんから…
- 子どもや家族がサーモンをおいしそうに食べているのを見ると本当にうれしいです。
- スタッフからオルセンさんにお伝えすることが…
- 「日本の人気お寿司ランキング(回転寿司)が サーモン9年連続1位っていうのご存じでしたか?」
- 「本当!? それは知らなかった! うれしいね!! 教えてくれて ありがとう!」
- 専門家の佐野教授によりますと 鮭として売っていても生で食べられるモノもあります。
- これは 養殖物を「さけ」という名前で売っている。
- または 天然物を冷凍処理して寄生虫を死滅させて生で食べても問題なくしたものなんですね。
- 北海道の伝統的な調理法にルイベというモノがあるんですけれども…
- これは生の鮭を寄生虫が死滅するほどの低温で凍らせて凍ったまま食べるか 軽く炙って食べるということなんですけれども。
- 生食用か加熱用かは 必ず商品の表示を確認してください。
- ちなみにサーモンを日本に広めたオルセンさんの一番好きな寿司ネタはウニだって。
- サーモンちゃうんかい!
チコちゃんに叱られる!スーパーで売っている鮭とサーモンはなにが違う? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!スーパーで売っている鮭とサーモンはなにが違う?
について情報発信させていただきました。