7月1日放送のチコちゃんに叱られる!に
視聴者の大阪府 りぼんちゃん(5さい+5さい)からの質問で
森と林の違いってなに?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!森と林の違いってなに?
森と林の違いってなに?
答えは、自然か人工か
詳しく教えてくださるのは
近植物の分布や生態に関して研究する
東京学芸大学 名誉教授
小泉 武栄 先生(こいずみ たけえい)
- 森と林の違いに木の数は関係ないそうです
- 森と林はいったい何が違うのでしょうか?
- 森と林の違いは それぞれの言葉の成り立ちを理解すると理解できるそうです
- 森という言葉の語源は「盛り」だと考えられています
- もともと「森」とは盛り上がった土地に自然に生えている木々のこと
- 山に近い意味だったと考えられています
- 古来の人は森と山を同一のものと考えており その証拠に山の名前に黒森など”森”という言葉が山を意味する場所が日本各地にあります
- 森は盛り上がった土地に自然に生えた木々の集まり
- では林は?
- 林という言葉の語源は動詞の「生やす」だと考えられています
- つまり林とはもともとは人の手で生やした木々の集まりを指す言葉なんですね
- 例えば江戸時代 城や寺院を建てるため 人々は次々と木を切っていきました
- その結果 幕府は森林を守るため木々の管理に乗り出します
- こうして管理された木々は御林(おはやし)と呼ばれ 計画的な伐採や人工的に気を植える植林など人の手による管理がおこなわれたんです
- 自然に生えた森と人の手が加わった林
- この違いを踏まえて森と林を比べてみると…
- 森の方は木々の大きさもバラバラで様々な種類の木々が入り混じり いかにも自然にできた木々の集まりという感じですよね
- 逆に林の方は 同じ種類の木が規則的に並んでいます
- これは 人の手で計画的に植えられた証拠ですね
- こうして それぞれの言葉の成り立ちを知ると森と林は見分けることができます
- 確かにわかりやすい森と林の区別の仕方ですが…
- なぜ われわれは この違いを普段あまり意識していないのでしょうか?
- それは小泉先生が思うに 戦争の前後で起きた大規模な森林の伐採が影響してると思います
- 昭和に日本では 戦争が激化
- 資材として大量の木材が必要となりました
- また終戦後も建物を建て直すのに木材は欠かせませんえした
- 同時期に紙の需要も増えたことで自然のままの残っていた森の木々が切り倒され…
- 人が目にする山々の森は人間が計画的に木を植えた林になってしまいました
- 本来の意味で森と呼べる存在が少なくなっていったことで森と林をわざわざ区別するといった考え方自体もも薄れていったんじゃないかと小泉先生はいいます
- 実際に現在の植物学や林学の世界では 原生林 と 人工林 と共に林を使った言葉で自然か人工化を区別しています
- このように現在では曖昧になりつつある森と林の区別
- さらに今では こんな事例もあるそうで…
- 原宿の明治神宮には森とも林とも言えない特殊な環境が広がっています
- 小泉先生「NHKのご近所ですし見てきたらどうですか?」
- ということでスタッフは 明治神宮の木々を管理している明治神宮・林苑担当 松井 正さんに話をうかがいました
- 番組D「明治神宮の環境が凄く特殊だと伺がったんですけど」
- 確かにそうですね この明治神宮に生えている木々は実は元々は人が植えた木なんです
- 遡ることおよそ100年
- この場所は もともと木などほとんどない荒れ地のような場所だったのです
- そんな場所に人工的に木を植え…
- 今では明治神宮の森と呼ばれている この場所は なぜ誕生したのでしょうか?
- そもそも明治神宮とは1912年に崩御なされた明治天皇と昭憲皇太后ををお祀りするために建てられた神社なんです
- 古来 木々の生い茂る森には神が宿るとされ森の中に神社を建てる習慣がありました
- 明治天皇を祀る神社となれば当然 生い茂る木々に囲まれているべきと考えられ当時の荒れ地を緑あふれる姿に変える必要があったのです
- 現在 明治神宮の植林計画が書かれた「明治神宮御境内林苑計画」という資料が明治神宮に大切に保管されています
- そにには木を植えてから150年後の予想図とある決め事が書かれています
- それが 「この150年の間 基本的には人々が木々に介入しない」と最初から決められていたことなんです
- 一般的な林では定期的に人の手で一部の木を切る 1本1本の木がより大きく成長するように手助けすることで林を維持しています
- 明治神宮では このように人の手に手入れは基本的にはおこなっていません
- 最初に植林する際に様々な木々を計算された配置で植えることで異なる木々同士の生存競争を促しました
- 成長スピードの違う木々は より太陽の光を受けられるよう競うように成長を重ねるのです
- これにより人の手を介さず気が自然に成長していくように最初から計画されていたんです
- 最初こそ人工的に植えた木々ですが人の手を加えずに成長した この明治神宮の木々は…
- もはや林ではなくて森と言ってもいいかもしれませんね
- 番組D「ぜひ中に入って詳しく見せていただきたいんですけども」
- 松井さん「すみません この森は人の立ち入りを制限しているんです 明治神宮の関係者でも この森に立ち入れるのは ごく一部の人なんですよ」
- なんと森の中は関係者以外立ち入り禁止
- スタッフは頭を抱えます
- 松井さん「そういえば 数年前に特別にNHKの番組が取材していましたよ」
- 番組D「えっ!」
- ということで 映像を確認すると そこには…
- 多様な木々を植林し自然に成長を重ねた明治神宮の森の姿
- 100年以上前に建てられた計画の集大成として生まれた この場所は 都会の中心にありながら色とりどりの植物と多様な生物たちが住まう まさに神秘の森
- この先も人の力に寄らず永遠に続いていく事を願わずにはいられません
- 最近ではしょくりんする際に1種類の植物だけでなく明治神宮のようにいろんな種類の植物を植えることも増えてきました
- これにより人の手が入らなくても成長していく人工の森が増えてきているんです
- そんな現代だからこそ 今一度 森と林を区別して考えるのも大切なことではないかなあと思います
- ね! チコちゃん
チコちゃんに叱られる!森と林の違いってなに? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!森と林の違いってなに?
について情報発信させていただきました。