10月9日放送のチコちゃんに叱られる!で
服を買うと布の切れ端が付いてくるのはなぜ?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!服を買うと布の切れ端が付いてくるのはなぜ?
服を買うと布の切れ端が付いてくるのはなぜ?
答えは、かけつぐため
詳しく教えてくださるのは
以前、制服の第2ボタンやカラーに関して解説してくださった
日本ユニフォーム協議会参与 ユニフォーム研究家
佐野 勝彦 先生(さの かつひこ)
- そもそも日本で 既に完成している服である既製服を買うという文化が生まれたのは…
- 戦後になってからのことなんです。
- それまでは 仕立屋で自分用に生地から仕立てた服を買うか…
- 家庭でシンプルな物を 作って着るのが一般的でした。
- 1950年代中ごろ から 洋服を着るのが当たり前の時代になると…
- 既製服が百貨店を中心に売れるようになっていきます。
- そんな中 より多くの人に服を買ってもらうために百貨店は あるサービスを取り入れます。
- 服に共生地と呼ばれる 布の切れ端 を付けたんですね。
- この布の切れ端は 共生地と呼ばれ百貨店が商品の価値を高め…
- より多くの人に服を買ってもらうために導入したサービスだというのです。
- 当時 服は 今よりも ずっと高価なもので 穴が開いたからと言って…
- 簡単に捨てられるものじゃなかったんですね。
- この共生地を使って 穴をキレイに塞いでいたんです。
- 番組D「えっ!この共生地を縫い付けてもぜんぜんキレイにはならなくないですか?」
- 佐野先生「いいえ プロの手にかかれば 共生地を使った ある技法で服に開いた穴をキレイに消すことができるんです」
- それが かけつぎ 関東では かけはぎ とも呼ばれる技法です。
- この共生地と かけつぎ という技法があれば…
- 1つの服を長く大切に切ることができるので服に共生地をセットするサービスを進めていったんだと思います。
- かけつぎ とはいったいどのような技法なのか?
- その正体を探るべく 番組Dは かけつぎ 一筋50年以上という職人の元へ
- 番組D「かけつぎ っていうのをすると 服の穴が直るって聞いて来たんですけど」
- 本城さん「あ、直りますよ」
- そう言って番組Dが 本城さんに渡したのは 袖口にタバコでできた大きな穴が開いています。
- この穴を本当に消すことができるのでしょうか?
- 本城さんが穴を見て一言「あぁ!全然大丈夫ですよ」
- そういうと一気に職人の顔に。
- かけつぎ をすること およそ1時間。
- 本城さん「はい できました」
- そこには どこに穴があったかまったく判らなくなるほどの完璧な仕上がりの袖口が…
- いったい どのようにこの穴を塞いだのでしょうか?
- この道50年以上の本城流かけつぎ術を大公開
- まずは 直す穴の大きさに合わせて共生地をカットしていきます。
- 本城さん「服の傷よりも少し大きめに布をカットします」
- カットした共生地から 横向きの糸を一部外し 縦糸だけを残します。
- さらに かけつぎ に欠かせないのが 糸の輪を通した針。
- まずは穴の近くに針を刺し 輪にした糸を服に通します。
- そこに共生地の縦糸だけを残した部分を重ねます。
- ここからが職人の腕の見せどころ!
- 縦糸の2本を針が付いている糸の輪っかに挟み込んで奥へ抜きます。
- 共生地の縦糸2本だけを輪の中に通し そのまま輪を引いて巻き込みます。
- 巻き込んだ部分を引き抜き共時期の縦糸を 服の補修部分に織り込みます。
- 横から見る共生地と服は このようになっており
- 輪にした白い糸が抜け
- 共生地の白い糸だけが服におりこまれています。
- これの同じことの繰り返し続けます。
- 必要なのは根気だけです。
- この繊細な作業をひたすら150回以上繰り返し完成します。
- できたものが こちら
- 共生地の糸が元の服に すべて織り込まれています。
- しかし これでは共生地と服のつなぎ目が まだわかってしまいますよねぇ。
- ここからが より熟練の技が光る仕上げ作業。
- つなぎ目がいかにキレイになるかと これにかかってます。
- まず 服の裏側の共生地を織り込んだ部分に熱で溶ける専用の のり を入れます。
- そして服を表に返し 共生地と元の服のつなぎ目が目立たないように…
- 織り込んだ糸を引っ張りなじませていきます。
- もっとも自然なつなぎ目になったと見極めた瞬間…
- アイロンの熱で 裏面の のり を溶かし共生地を固定。
- このつなぎ目がきちっと詰まっているかどうか ここが一番大事。
- 熟練の技によって固定された記事はご覧のとおり。
- 共生地と服のつなぎ目は まったくわかりません。
- 最後に表面に張り出した 余分な糸をカットし アイロンがけを終えれば…
- 改めて こちらが かけつぎ が終わった服。
- この仕上がり まさに匠の技です。
- かけつぎ に使って服を直し 長く大切に着てもらおうと付けられた布の切れ端。
- 最近では お手頃な価格の服が増え 穴が開いた服を わざわざ かけつぎ してまで使うという人が少なくなって来たと思います。
- つまり 共生地の使い道がどんどんなくなってきているということですね。
- 穴が開いたら買い替えればいい。
- いつしか共生地が付いている意味すら忘れ去らる時代に。
- それでも今なお この小さな布の切れ端に願いを託す人がいます。
- 長崎の かけつぎ店でスーツのズボンを直したという女性がいます。
- 実際に かけつぎ で直したのが こちら
- 女性「2cmくらいの引っかけて破れた穴が開いてました。」
- 女性「それをすごくきれいに直していただきました 仕上がりは凄くまんぞくです」
- なぜ 買い替えるのではなく かけつぎ をしてまで服を直したのでしょうか?
- 女性「このスーツを買うときに一緒に選んでもらった方が すごくお仕事でもお世話になってて すごく尊敬している方で その方に一緒に選んでいただいたので 頑張るぞって思うときとかに着ると いいことあるし頑張れるみたいな 特別なスーツだったので 他の者じゃなくて 直してきたいなと思ったので 破れてしまって でもすごくキレイに直してもらって より大事なスーツになったなぁって思います」
- 服に刻まれた 思い出や歴史を傷や穴を直すことで大切に残す伝統の技 かけつぎ。
- それを支える この小さな布の切れ端が 今なお服に付けられているのは…
- 服を大切に着続けて欲しいとう作り手からのメッセージなのかもしれません。
- 共生地があっても生地の種類や変色の具合によって かけつぎ で穴をキレイに塞げるとは限りません。
- 共生地でなくても ズボンの裾の折り返しの部分ですとか 見えない所の生地を使って穴を塞ぐことができる場合もあります。
チコちゃんに叱られる!服を買うと布の切れ端が付いてくるのはなぜ? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!服を買うと布の切れ端が付いてくるのはなぜ?
について情報発信させていただきました。