8月22日放送のチコちゃんに叱られる!で
クラウチングスタートってなに?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!クラウチングスタートってなに?
クラウチングスタートってなに?
答えは、カンガルーのマネ
詳しく教えてくださるのは
陸上競技の歴史を長年研究している
滋賀・草津市 立命館大学 名誉教授
岡尾 恵市 先生(おかお けいいち)
- クラウチングスタイルが生まれてくる前提としては…
- オーストラリア人 リチャード・クームズって人がカンガルーにヒントを得て考えられたものなんです。
- 先生によるとクラウチングスタートを考案したのはオーストラリア人のリチャード・クームズさん。
- スポーツ・ジャーナリストをしていました。
- 17~18世紀ぐらいまではスタンディングが中心です。
- スタートにはあまり力点を置かないで走ったと思います。
- 記録に残されたもっとも古い短距離走は1845年。
- その頃は 立ったまま走り出すスタンディングスタートが主流。
- しかし 記録をさらに伸ばすためには スタンディングスタートではダメだと考えた オーストラリア出身のリチャードさん。
- ひらめいたのがカンガルーの この前傾姿勢
- 低い姿勢で重心を前にすることで スタートのとき起き上がるように一歩目が出せるのです。
- 重心が前にあるほど地面を蹴る力が前方へ大きく働くので走り出してから素早くトップスピードに移行できるのだそうです。
- この姿勢こそがクラウチングスタートの原型だと考えられています。
- しかし 先生 速さでいえば哺乳類最速のチーターの方が真似するにはよかったと思うのですが…
- そういう動物は原則的に四足歩行。
- だから二足歩行の関係で人間の動きに近いカンガルーを思いついたんじゃないかと。
- 二足歩行の人間にとって カンガルーの姿勢こそ 素早くスタートができる姿勢だと先生は推測されます。
- このカンガルーを真似した スタートは あることがキッカケで爆発的に世界中に広がります。
- 1896年 記念すべき第1回アテネオリンピック 男子 100m。
- スタンディング姿勢をとる選手の中で ただ一人 クラウチングの姿勢をとる選手がいたのです。
- アメリカのトーマス・バーグ選手がクラウンチングスタートを唯一やったんですね。
- こうして1位で金メダルを取ったというのが 衝撃的なことだったから。
- その時の記録12秒 ジャスト。
- 堂々の金メダルを獲得したことがキッカケで…
- 第2回以降のオリンピックからは ほとんどの選手がクラウチングスタートを取り入れたといいます。
- では実際にスタートで でれだけ違いがでるのか…
- 岡尾名誉教授が以前 監督をつとめていた 立命館大学 陸上部の方々に ご協力いただきました。
- 2019年日本グランプリシリーズ 男子100で10秒68を記録し 全国大会優勝に輝いた本郷汰樹 選手に50m走で検証していただきます。
- まずはスタンディングスタートから。
- タイムは6秒64。
- 続いてクラウチングスタート。
- タイムは6秒20
- いつも通り早いですね。
- クラウチングスタートの方が0.4秒以上早いという結果に。
- 見比べてみても走り出しはクラウチングスタートの方がワンテンポ早く4秒後には人一人分の差がついています。
- 本郷選手に感想を聞いてみると。
- クラウチングスタートのときは スッと出れる感じだったんですけど やっぱりスタンディングだと1回おく感じが。
- スタンディングの場合 力が真下に向かっているので スタートするとき 後ろ足を踏み込みワンテンポ遅れます。
- しかし クラウチングスタートだと力が前に向いており起き上がるようにスムーズなスタートがきれるといいます。
- ちなみにさきほどのアテネオリンピックの写真で1つ気になっていたことが…
- クラウチングスタートのトーマス・バーグ選手の隣に何やら持った選手が。
- 番組D「何を持ってるんですか?」
- 岡尾先生「木の棒ですよ これは」
- 番組D「木の棒ですか?」
- 岡尾先生「ええ 棒切れ 腕の力を使いながら ガーット! 走ったんじゃろうね これ」
- 棒の長さはリレーのバトン位の長さ。
- 今は禁止されていますが 当時スタートのルールはあいまいな部分も多く…
- 木や鉛の棒を使い腕の力を使ってスタートを切る選手もいたそうです。
- ちなみに先ほどのように クラウチングスタート 木の棒を持ってスタート スタンディングスタート で競争してみました。
- クラウチングスタート:佐々木啓輔さん(100m自己ベスト10秒55)
- 木の棒を持ってスタート:梶川颯太さん(100m自己ベスト10秒49)
- スタンディングスタート: 本郷汰樹さん(100m自己ベスト10秒45)
- 結果は…
- 1位:クラウチングスタート
- 2位:木の棒を持ってスタート
- 3位:スタンディングスタート
- 木の棒を使った選手はスタンディングよりは早かったですが やはりクラウチングには勝てませんでした。
- 番組D「もしルール上 OKだったら取り入れます?」
- 学生「理にかなった 何かがあれば 取り入れます」
- 番組D「現状は?」
- 学生「現状はクラウチング」
- 学生のみなさんお付き合いいただきありがとうございました。
- 第1回アテネオリンピックから広まったクラウチングスタートですが…
- しばらくの間は 選手が自分で穴を掘って 足を滑らせないようにしていたという事なんです。
- そのために 選手は自分でスコップを持って順番待ちをしていたということなんです。
チコちゃんに叱られる!クラウチングスタートってなに? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!クラウチングスタートってなに?
について情報発信させていただきました。