9月24日放送のチコちゃんに叱られる!で
寒くなると葉っぱが落ちるのはなぜ?
という質問がありました
チコちゃんに叱られる!寒くなると葉っぱが落ちるのはなぜ?
寒くなると葉っぱが落ちるのはなぜ?
答えは、木は、非常なリストラを繰り返すひどい会社みたいなものだから
詳しく教えてくださるのは
植物の生態や生育環境について研究している
東京大学 日光植物園 園長
館野 正樹 先生(たての まさき)
- 寒くなってくると葉を落とす樹木のことを落葉樹と呼びますが…
- 実は この落葉樹は ある理由があって葉っぱをわざと落としているんです
- そこには 葉っぱがおこなう光合成という働きが大きく関わっています
- 葉っぱでおこなわれている光合成とは…
- 根から吸い上げた水と二酸化炭素を基に太陽の光を使って酸素と炭水化物を作り出す
- 植物にとっては欠かせない働き
- 植物は光合成によって作られた炭水化物を取り入れ成長しているのです
- しかし そんな大切な葉っぱを なぜ落葉樹は寒くなると落としてしまうのでしょうか?
- その理由には 落葉樹が持つシビアな一面が関係しているんです
- そこには利益を追求するあまり 社員を人とも思わぬ企業にも似た非常な決断が…
- 春に開いた新緑の葉の色は薄く 光合成に必要な葉緑素も不十分
- 葉が十分に成長した夏は まさに光合成で栄養を取り込む書き入れ時なのだ
- 木は水という光合成に欠かせない経費を根から道管という経路を使って葉っぱに供給
- まさに葉っぱは太陽の光を浴びて懸命に働く営業部
- エネルギーである炭水化物という利益を樹木のために供給し続けます
- 夏の日差しを浴びる葉っぱの懸命な光合成により樹木は十分な栄養素をドンドン取り込んでいくのです
- このとき落葉樹はドンドン利益を重ねる黒字企業そのもの
- しかし その好調ぶりにもやがて陰りが
- 落葉樹の葉っぱは 一年中葉っぱが付いている樹木と比べると…
- 実は葉っぱの厚みが薄いんですね
- ですから そもそも長持ちしないんです
- そして秋になり寒くなっていくと…
- 日照時間がへり光合成でできるエネルギーも徐々に減少
- 寒くなって樹木の中の水を通す導管が凍ることにより水が流れにくくなる現象をエンボリズムと言います
- 夜に氷点下となり導管の内部が凍ると 溶け込んでいた空気が気泡となって固まります
- そして昼間 温かくなり氷が溶けると気泡同志が集まって1つの大きな気泡になり…
- 導管の水の流れを遮断
- 葉っぱは水分を失い干からびてしまいます
- そもそも葉っぱには 樹木の生長に必要な栄養素がたくさん蓄えられており…
- 葉っぱが干からびてしまうと その栄養素を樹木は失ってしまいます
- これは樹木自体の生命すら脅かす大きなダメージ
- 今は温暖化の影響もあり冬でも氷点下まで気温が下がることも少なくなりましたが…
- 大昔の日本は 今より気温がずっと低く樹木の中の水分が凍ってしまうほど寒かったと思われます
- 落葉樹は その時代の経験から 気温が低くなりはじめる秋にエンボリズムがもう少しで起きるのではないかと警戒し 葉っぱを落としていくんです
- これはまさに黒字リストラのような行動
- 黒字リストラとは…
- 赤字になる前にコストのかかる従業員を手放すことで人件費をカットし 容易に利益を維持する改革のこと
- 企業が先の赤字を警戒し社員をリストラするように…
- 落葉樹もエンボリズムを警戒し先に葉っぱを落とすというのです
- 寒くなると落葉樹はエンボリズムによって干からびてしまう前に葉っぱの中に残っている栄養素を根こそぎ回収するんです
- はっぱが落ちる前に変色するのは栄養分を吸い取られた証拠なんですね
- そして 葉と枝の境界に離層という壁を作り 不要になった葉っぱを切り離し落としているのです
- 自らを存続させるため 葉っぱを働かせるだけ働かせ赤字になりそうになると…
- 容赦なくリストラする 木は そんなシビアな決断を毎年繰り返しているんです
- こうして落葉樹は寒くなる前に葉っぱから回収したエネルギーを使って厳しい冬を乗り越え…
- 春になって また光合成ができるようになると新しい葉っぱを作り再び成長していくのです
チコちゃんに叱られる!寒くなると葉っぱが落ちるのはなぜ? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!寒くなると葉っぱが落ちるのはなぜ?
について情報発信させていただきました