3月13日放送のチコちゃんに叱られる!で
リチウムイオン電池ってなに?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!リチウムイオン電池ってなに?
リチウムイオン電池ってなに?
答えは、一言では言えないのでノーベル賞受賞者 吉野彰さんが 1時間かけて わかりやすく説明してくれました
詳しく教えてくださるのは
ノーベル化学賞を受賞した
東京・千代田区 旭化成 名誉フェロー
吉野 彰 先生(よしの あきら)
- 担当D「リチウムイオン電池って簡単に言うとなんなんですか?」
 - 吉野先生「簡単にいうと? ん~困ったなぁ 難しい」
 - 吉野先生がスマホから電池を取り出して…
 - これがリチウムイオン電池です。
 - このリチウムイオン電池の中で…
 - リチウムイオンが2つの板の間を行ったり来たりするんですよ。
 - わかりますか?
 - 文系 国際関係 学部 出身の担当Dにはさっぱり理解できないようです。
 - 担当D「すみません あの リチウムってなんでしたっけ?」
 - 文系出身Dでもわかるように 吉野先生が丁寧に教えてくださいました。
 - 吉野先生「”すいへのりーベはぼくのふね”って言葉はご存じ?」
 - 担当D「なんか 聞いたことはありますね」
 - 吉野先生「リチウムが”リー”」
 - ここで中学2年の理科の授業を思い出してください。
 - その時に「元素周期表」を習いましたね。
 - 「すいへーりーベーぼくのふね」ここで脱落した方も多いはず。
 - すい1:H(水素)
 - へー2:He(ヘリウム)
 - りー3:Li(リチウム)
 - べー4:Be(ベリリウム)
 - ぼ5:B(ホウ素)
 - く6:C(炭素)
 - の7:N(窒素)・8:O(酸素)
 - ふ9:F(フッ素)
 - ね10:Ne(ネオン)
 - 今日の主役は この「りー3:Li(リチウム)」
 - 身近にある乾電池に電球がついている状態を思い浮かべてください。
 - 一番わかりやすい電池というのはボルタの電池というのがありまして…
 - これまでの電池の仕組みをボルタの電池を例にします。
 - ボルタの電池は硫酸がはいっている容器に金属の銅と金属の亜鉛を浸けます。
 - この時に亜鉛の端と銅の端に銅線が着けてあり その先に電球がついています。
 - まず亜鉛が溶けて 電子が出てきます。
 - そして電子が銅線を伝わって銅のほうに行くわけです。
 - 電子が動いたら 電流なんです。
 - ここで 理系 工学部 出身のアシスタントDが吉野先生に質問しました。
 - 「あの それは つながったときになるということですよね」
 - 吉野先生「はい そうです。」
 - AD「ようするにダムとかで例えると…」
 - AD「そのつながった瞬間がゲートを開けて水がダーと流れる瞬間みたいなことで」
 - AD「電流が流れるということですね」
 - 吉野先生「そうです そうです」
 - 吉野先生が担当Dに「わかります?」
 - 担当D「なるほど・・・」(実はよくわかっていない。)
 - 通り道がつながると電子は多い方から少ない方へ自然に流れていきます。
 - 電子が作られなくなったら 電池切れ。
 - つまり 電子は一方通行。
 - これが アルカリ乾電池やマンガン乾電池などの使い切り電池の基本的な仕組み。
 - これに対して リチウムイオン電池の場合はリチウムイオンが行ったり来たりするんです。
 - リチウムイオン電池というのは2つ板が入っています。
 - 片方の板にリチウムがたくさん入っています。
 - スマートフォンを買ってきて まだまったく充電していないときというのが そういう状態のときです。
 - ここに充電器をつなぐと 充電器の電圧によってリチウムから電子が離れます。
 - そして 電子の少ないもう片方の板へ移動。
 - このとき 電子が離れたリチウムはリチウムイオンになります。
 - 移動する電子に引き付けられてリチウムイオンも移動。
 - こうして電子とリチウムイオンが片方の板にたまり充電された状態になるのです。
 - そして 充電ができたスマートフォンに電源を入れると…
 - 電子が今度 反対の方向に流れる リチウムイオンも また元の場所に戻っていくということです。
 - 担当D「・・・」
 - AD「つまり電池って 放電された状態が安定した形なんですよね」
 - AD「だから 電子が元に戻ろうとするってことですよね」
 - 吉野先生「そうそう」
 - 吉野先生が担当Dに「わかりました?」
 - 通り道ができると電子もリチウムイオンも元の板に戻ります。
 - すべてが移動しきったら 充電切れ。
 - 一方通行の使い切り電池と違い…
 - 電子とリチウムイオンが行ったり来たりすることで 半永久的に何度も使うことができる。
 - これが充電できるリチウムイオン電池の仕組みなのです。
 - リチウムイオン電池 電池板の一番大きな特徴というのは パワー 電圧…
 - 大きなパワーを生み出すのに必要なのは 電子の離れやすさ。
 - イオン化傾向というのがあるんです。
 - どの金属がイオンになりやすいか 言い換えると 電子を離しやすいか。
 - 担当D「ほう・・・」
 - AD「あの イオン化傾向が大きいってことは 希ガスになりやすいって いうふうに並べた…」
 - AD「イオン化傾向っていう指標があるんです」
 - 周期表でいう右端の元素
 - 2:He(ヘリウム) 10:Ne(ネオン) 18:Ar(アルゴン) 36:Kr(クリプトン) 54:Xe(キセノン) 86:Rn(ラドン) 118:Og(オガネソン) は希ガスと呼ばれ…
 - 一番外側に2つ もしくは8つの電子が満席状態の元素。
 - 満席状態だと化学的な反応がしづらい つまり安定している状態で…
 - すべての元素は この安定した状態になりたいのです。
 - 周期表でいう左端の元素
 - 1:H(水素) 3:Li(リチウム) 11:Na(ナトリウム) 19:K(カリウム) 37:Rb(ルビジウム) 55:Cs(セシウム) 87:Fr(フランジウム) は一番外側に電子が1つだけ。
 - 安定した状態になるには たった1つの電子を離せばよい。
 - つまり リチウムは電子をとても離しやすい元素といえます。
 - 電子を離しやすいということは…
 - たくさんの電子 つまり電流を作ることができるということ。
 - さらに 元素周期表は元素の軽い順に並んでいます。
 - 1番軽いのは 1:H(水素)
 - 2番目の2:He(ヘリウム)は…
 - 空気を構成する7番目の7:N(窒素)や8番目の8:O(酸素)よりも軽いことから風船にも使われていますねぇ。
 - 3:Li(リチウム)は 2:He(ヘリウム)に次いで3番目に軽いので電池の軽量化が可能になったのです。
 - 小さくて軽くても大きなパワーを生み出せる そして何度も使える。
 - これがリチウムイオン電池の特徴なのです。
 - 担当D「ま でも すごいってことですよね」
 - 吉野先生「そういうことです そういうことです」
 - 担当D「リチウムイオン電池は」
 - 現代の人々の生活を大きく変えたとして…
 - リチウムイオン電池の開発に関わった3名の研究者がノーベル化学賞を受賞しました。
 - リチウムイオン電池の仕組みを発見した スタンリー・ウィッティンガム 教授
 - 電子の流れを作るための2枚の板の内 片方の板に適した素材を発見した ジョン・グッドイナフ 教授
 - そして もう片方の板に適した素材を見つけ 実用化を達成した 吉野 彰 旭化成名誉フェロー
 - 吉野先生「たまたま 年末の大掃除が済んで 昼から何もやることがなくなったときに…」
 - 「それまで溜まってたいろんな論文のコピーを 目を通していったら グッドイナフ教授の論文があったんです。」
 - 「で それだとおもいましたよね 年明けそうそうに…
 - 「それまでに出来上がっていた負極と組み合わせたら…
 - 「これが電子が出来上がっちゃったんです」
 - 「飛び上がりましたよ!」
 - リチウムイオン電池は排ガスを出さない電気自動車や天候に左右されやすい太陽光や風力発電による電気の貯蔵にも使われ 更なる改良が続けられています。
 - 石油などの化石燃料の消費を減らし地球温暖化に歯止めをかける環境保全の面でも期待されているのです。
 - 吉野先生「ノーベル賞は環境問題に対して 今後ね 頑張っていきなさいよという激励 なんですよ」
 - 「1つのマラソンレースが終わって やっとゴールしたと思ったら…」
 - 「次のレースに走りなさいって 言われているようなものです。」
 - 担当D「大変ですね」
 - 吉野先生「いや 楽しいですよ でも」
 - ※リチウムイオン電池を使った製品の不良や誤った取り扱いにより 発火事故などが報告されています。取り扱いには十分ご注意ください。
 
チコちゃんに叱られる!リチウムイオン電池ってなに? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!リチウムイオン電池ってなに?
について情報発信させていただきました。
											