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チコちゃんに叱られる!夏に怖い話をするのはなぜ? 8月21日

8月21日放送のチコちゃんに叱られる!で
夏に怖い話をするのはなぜ?
という質問がありました。

チコちゃんに叱られる!夏に怖い話をするのはなぜ?

夏に怖い話をするのはなぜ?

答えは、ベテランが夏休みだったから

詳しく教えてくださるのは
日本の怪談文化に詳しい
國學院大學 文学部 准教授
飯倉 義之 先生(いいくら よしゆき)

飯倉義之
  • 怪談話が夏の風物詩なのは 実は日本だけなんですよ。
  • そういえば 日本以外の国では夏に怖い話で盛り上がっているのをあまり耳にしません。
  • 例えばアメリカだったら ハロウィーンですし…
  • ヨーロッパだったら11月ぐらいが化け物・魔物の活動する時期です。
  • では なぜ日本では夏に怖い話をするのでしょうか?
  • まず日本では夏の行事として「盆狂言」という民俗芸能が行われていました。
  • お盆に行う 供養の儀礼の一つです。
  • 8月中旬に盆棚 盆踊り お墓参りや迎え火などで…
  • この世に帰ってくる ご先祖様の霊を供養する お盆。
  • しかし この時期には ご先祖様の霊だけでなく…
  • 祭る人の絶えた無縁仏や恨みを抱いた怨霊も帰ってくると考えられていました。
  • そうした 浮かばれない霊たちを供養する そのための儀礼が盆狂言なんです。
  • 幽霊の苦しみを 代わりに演じて表現することで 恨みや怒りが鎮められると考えられています。
  • 番組D「その盆狂言が 今 夏に怖い話をする起源なんですか?」
  • 飯倉先生「いえ そうではなくて 盆狂言をヒントにして江戸時代に歌舞伎の中で 今のエンターテイメントの怖い話に通じるような作品が作られていくんです」
  • 飯倉先生「ですので 夏の怖~い話の起源は 江戸時代にまでさかのぼるさかのぼるということなんですね」
  • 飯倉先生「それは むか~し むかし…」
  • むか~し むかし 江戸時代のお話。
  • にぎわう街の片隅に ある小屋がありました。
  • その小屋の前を通りかかると…
  • 中から人々の叫び声のような声が響いてくるではありませんか。
  • 気になって 扉を スススーと開けると…
  • そこには お客さんがいっぱい。
  • そう そこは江戸の庶民にとって 一番の娯楽 歌舞伎の芝居小屋。
  • 人気役者の名前が連なり ほぼ一年中 大盛況でした。
  • しかし そんな歌舞伎小屋に お客さんが寄り付かなくなる季節があったそうです。
  • それが夏。
  • 実は炎天下の芝居小屋の中は死ぬほど暑い。
  • なぜならクーラーがない。
  • 人気の歌舞伎小屋には多くの人が押し寄せ いつも満席でした。
  • なので とても暑かったんですね。
  • 当時 もちろんクーラーなんかありませんから 歌舞伎小屋にとって夏は天敵だったんです。
  • 暑い~ 苦しい~ 死ぬ~ でも 夏にお客さんが寄り付かなくなる原因は…
  • 実は この暑さだけではありませんでした。
  • 歌舞伎小屋にとって もっとも恐ろしいことが毎年決まって 夏に起こるのです。
  • それは ベテランが夏休み。
  • 夏の間は客の入りが良くないのでベテランの人気役者からどんどん夏休みを取ってしまうんですね。
  • しかし小屋を開けないと給料の安い若手の役者たちを食べさせていけませんので…
  • 仕方なく歌舞伎を続けていたんだそうです。
  • ところが なんといっても若手役者たちは芝居が下手。
  • そんな三文芝居を暑い思いをしてまで見に来るお客さんは そうそういません。
  • 困った歌舞伎小屋の興行元は どうやったらお客さんを呼べるのか話し合っていました。
  • そこで興行元が目をつけたのが「盆狂言」でした。
  • 昔から行われてきている「盆狂言」のテイストを歌舞伎にアレンジして怪談芝居が始まったんです。
  • しかし 残された若手の役者たちは 演技力が足りません。
  • ですので大掛かりな演出を加えて 怖~い演目を仕立て上げたんです。
  • こうして誕生した涼み芝居が全国的に知られるキッカケとなったのが…
  • 1804(享和4・文化元)年に初演された「天竺徳兵衛韓噺」(てんじくとくべいいこくばなし)
  • 大ガマが妖術を使って日本を乗っ取ろうとする物語で…
  • 舞台の建物を崩し倒す 屋台崩し や本物の水を使った 水中の早変わりなど大掛かりな仕掛けがふんだんに使われた演目。
  • 演技力よりも大掛かりなお芝居の仕掛けで お客さんをびっくりさせようというのが始まりですね。
  • で これを使ったら 幽霊だとか超自然的なものだとか演じられるぞと考えたんじゃないかと思うんですよねぇ。
  • この歌舞伎をキッカケに 現在の歌舞伎で三大会談と言われる…
  • 四谷怪談 番町皿屋敷 牡丹灯籠をはじめ 怨霊や化け物を扱った怖い演目が次々と誕生しました。
  • その後 講談やお化け屋敷といった娯楽が江戸時代にどんどん生まれ…
  • 現代の夏に怖い話を楽しむという文化へと変化していったのです。

チコちゃんに叱られる!夏に怖い話をするのはなぜ? まとめ

今回は チコちゃんに叱られる!夏に怖い話をするのはなぜ?
について情報発信させていただきました。