2月19日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜ柔道が強い人は黒帯?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!なぜ柔道が強い人は黒帯?
なぜ柔道が強い人は黒帯?
答えは、白の真逆だから
詳しく教えてくださるのは
柔道の総本山 講道館で柔道の歴史に関する書物をあつかう
東京・文京区 講道館 図書資料部
津村 弘三 先生(つむら こうぞう)
- なぜ黒にしたか?
- はっきりした記録はないんですけど…
- 柔道の創始者 嘉納治五郎 師範(かのうじごろう)が白い道着に映える色 コントラストが真逆で目立つ色ということで黒にしたということが有力な考え方だと思います。
- そうなんですか?
- でも あの~インターネットで見ると 白い帯を使い込むと黒ずんでくるから黒が強さの象徴だったという説が通説のように出回っているんですけれど。
- 実はインターネットで「なぜ柔道が強い人は黒帯?」でリサーチをすると…
- 昔は柔道着を洗う習慣がなくかったから 稽古を重ねるとしだいに帯が黒ずんでいき その黒さが強さの象徴になったなどの記述ばかりが出てきます。
- そもそも この説が興味深いということで 企画が動き出したのです。
- 確かにネット上でそういう説が出回っているんですけれども 嘉納師範は柔道着は手入れはしっかりしなさい 清潔に保ちなさい ということを厳しく指導されていました。
- 汚れて黒くなったということをイメージしたという風には考えにくいですね。
- ということで 柔道着の成り立ちを一から教えていただきました。
- 稽古着を白にした 有段者は黒帯にしたのはというこっとにはですね…
- 嘉納師範の講道館柔道に関しての教育のしかたのお考えが反映されています。
- 柔道のルーツは古流柔術(こりゅうじゅじゅつ)。
- 江戸時代には100以上の流派がありました。
- その中の天神真楊流(てんじんしんようりゅう) 起倒流(きとうりゅう)を学んでいた…
- 嘉納治五郎は これら2つの流派を基に他の流派を研究して独自の理論を確立。
- 1882(明治15)年に講道館を設立し柔道が誕生しました。
- そこで 嘉納治五郎が柔道に新たに取り入れたのが 独自の段位制度でした。
- 修行の成果に応じて初段から十段 さらに その先に限りなく進むというものです。
- 身近なところに次の目標があるということで 修行を継続しモチベーションを高めると…
- そのために 作られたんです。
- もともとの古流柔術にも 目録 免許 皆伝といった大まかな段階があり…
- 嘉納治五郎が修行した天神真楊流では稽古着の色で階級を区別していました。
- 初心者は あさぎ色の稽古着に白の十字刺し。
- 目録に昇格すると 白地に襟が あさぎ色 紺の十字刺し。
- 免許になると 襟も白で紺の十字刺し。
- 嘉納治五郎の着ていた免許の稽古着が現在も講道館に保存展示されています。
- ところが 当時の技術では稽古着の色を変えるとなると相当なお金もかかるし…
- それ以上に手間がかかります。
- 嘉納師範は 誰でも柔道というのは気軽に始められなければいけないと考えられていましたので稽古着は一番シンプルな白とというふうに定められたのだと思います。
- こうして柔道着の色は最もシンプルかつ清潔感もある白が採用されたのです。
- しかし そうすると 柔道着の色で段位を表せなくなってしまう。
- そこで嘉納治五郎は考えました。
- 稽古着の色を変えるのではなく もっと簡単にやる方法はないかとお考えになられて…
- それでは帯の色を変えよう 白い稽古着の中で一番コントラストが真逆な色のというとやはり黒。
- 黒が目立つ ということで黒にされたんだと思います。
- 黒帯の誕生は 最も古いスポーツ雑誌の1つ「月刊 柔道」にも記されています。
- 1939(昭和14)年 発行の記事に 「それ以前、他流の道場では、黒帯ということはなかった。黒帯は講道館の発明でありましょう。」と記されています。
- 1887(明治20)年ころから講道館で始まった有段者の黒帯。
- 白い柔道着に黒帯という柔道の基本スタイルは このようにして生まれたのです。
- そして 帯の色が五級・四級は白帯 三級~一級は茶帯 初段になると黒帯と定められています。
- 実は黒帯の上がありまして 初段~五段までが黒帯 六段七段八段が紅白帯 九段十段が紅帯ということになっています。
- めちゃくちゃおめでたい色ですね。
- そうですね。
- そんなおめでたい帯を付けられるのは モントリオールオリンピックの金メダリストで現在の講道館の館長 上村春樹(うえむらはるき)九段などそうそうたる方々。
- そんな方にちょっと投げてもらったりとか そんなことできたりするんですか?
- あの…そうですね…
- はたして そんな恐れ多い方に登場していただけるのか?
- 道場に立つ武道家風の この方は いったい?
- 津村さん?
- それも紅白の帯!
- なんと六段の有段者 とても強い人でした。
- 実は柔道歴46年 ヤル気マンマンの紅白帯 津村さんの技を受けるのは?
- 黒帯を持つ運動神経抜群のAD。
- 「よろしくお願いします 自分一応黒帯は黒帯なんですけど 空手の黒帯で…」
- 「はい 体育の授業を思い出して しっかり受け身をとってみてください」
- 一瞬で投げられました!
- ADの感想は…
- 「なんかジェットコースターに乗っているような感覚でした すごい気持ちよかったです」
- さすが六段 みごとな 体落(たいおとし) ありがとうございました。
- 講道館創設からおよそ140年の歴史があるんですけれども…
- 上村館長九段もお持ちの紅帯を取得したのは わずが250人。
- さらに最高峰の十段を獲得したのは15人しかいないということなんです。
- 撮影余談ですが…
- 今回 紅帯をお持ちの上村館長に出演のオファーをしましたが ちょうど撮影の日にIOCのバッハ会長が来日していて 一緒に選手村などを視察していたため残念ながらご出演いただけませんでした。
チコちゃんに叱られる!なぜ柔道が強い人は黒帯? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!なぜ柔道が強い人は黒帯?
について情報発信させていただきました。