チコちゃん

チコちゃんに叱られる!なぜ箸を使う? 8月14日

8月14日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜ箸を使う?
という質問がありました。

チコちゃんに叱られる!なぜ箸を使う?

なぜ箸を使う?

答えは、熱いものを熱いうちに食べたかったから

詳しく教えてくださるのは
お久しぶりの登場!過去5回に渡り民俗学の視点から日本の風習やしきたりの秘密を教えてくれた(過去に教えてくださったのは おさい銭 胴上げ くしゃみ 三本締め ろくでなし)
千葉・佐倉市 国立歴史民俗博物館 名誉教授
新谷 尚紀 先生(しんたに たかのり)

新谷尚紀
  • そもそもわれわれ人類は手で食べる手食(てしょく)でした。
  • 実際 今でも世界では 手で食べる人が最も多いんです。
  • 主に手で食べているのは アフリカや中近東 インドなど全人口の およそ40%。
  • 主にナイフ フォーク スプーンのセットで食べているのが ヨーロッパやアメリカなど およそ30%。
  • そして日本人のように箸で食べる箸食がおよそ30%となっています。
  • 最初に箸を使って食べるようになったのは 古代中国というのが定説になっています。
  • 中国・河南省の遺跡から発見された3,000年以上前の青銅製の箸が…
  • これまでに発見された最も古い箸とされています。
  • では なぜ 箸という道具が生まれたのでしょうか?
  • 実は食事の道具としては 箸よりも先に さじ つまりスプーンのようなものがあったんです。
  • 古代中国の主食 は 粟(あわ)や稗(ひえ) 米などの穀類。
  • これらを食べるうえで スプーン状のものが便利だったと考えられています。
  • ただ いろいろ おかず を食べる際には 手で食べてました。
  • しかし 手では非常に食べにくい おかず があったんです。
  • その おかず を食べるために 箸が誕生したのではと考えられているんです。
  • 番組D「手では食べにくおかずって なんですか?」
  • 新谷先生「これです。中国語で 羹(ガェン) 日本では あつもの といいます 鍋で煮た熱い料理です」
  • 中国料理の あつもの とは 肉や魚介類と野菜を煮込んだ いわば鍋料理のようなもの。
  • 新谷先生「鍋で煮た 熱い料理っていうのは すごくおいしいんですね」
  • 新谷先生「熱いものを熱いうちに食べるために いろんな葛藤があって 箸がうまれたんでしょうね。」
  • 番組D「でも その時代にスプーンはあったんですか? スプーンでもたべられますよね。」
  • 新谷先生「だからね そういう人はやってみればいいと思うんですよ その葛藤を体験してみればわかるんじゃないですか」
  • そこで 手食からスプーン そして 箸を使うまでどんな葛藤があったのか…
  • スタッフ自ら体験することに。
  • 場所は 東京・港区・新橋 中国料理 新橋亭(しんきょうてい) 新館。
  • 古い時代から食べられている鍋料理を再現していただきました。
  • ここから応対していただくのは新橋亭 新館 総料理長 田中 喬(たなか たかし)さん。
  • 田中 総料理長「はい あつもの料理です」
  • 番組D「具だくさん! なんという料理になるんですか?」
  • 田中 総料理長「砂鍋全家福(サーコーゼンチャーフー)あつもの料理の原型ですね」
  • 砂鍋全家福とは 肉 魚介 野菜が10種類以上盛り付けられる中国で古くから おめでたい時に食べるという鍋料理。
  • まずは 食の原点の 手食 から…
  • 番組D「アッチッ!熱すぎて手食できません」
  • おそらく最初は 冷めるまで待って食べていたんでしょうね。
  • やっぱり 熱いものは 熱いうちに食べたいですよね。
  • 続いて 箸よりも歴史があるスプーンを使ってみます。
  • 番組D「スプーンがあれば 当然ね 食べられます」
  • ところがスプーンだけだと 結構 口が熱く…
  • 食べやすい温度の加減が難しいことに気づきました。
  • さらに もう一つ問題点が…
  • 番組D「お肉が食べたいんだけど 野菜も付いてきちゃう」
  • また おかずの形によっては
  • 番組D「なんか 思い通りに取れないのが ちょっとイライラしますな」
  • そこで スプーンを2本使ってみました。
  • 番組D「好きなものだけ選んで」
  • 確かに狙った おかず は取れますが…
  • 番組D「結局 食べるとき1つでいいんですよね」
  • 御見苦しいところをお見せしてすみません。
  • どうにか手の指先で つまむように 具を取れないものか?
  • それを解決してくれたのが 2本の棒だったんです。
  • 2本の棒 つまり箸を使えば 皆さん ご存じのとおり…
  • 最初から現在のような持ち方だったかは分りませんが
  • 棒を2本使うと…
  • 好きな熱い おかず をピンポイントでつかめ。
  • つかんだまま ちょっと冷ますこともでき。
  • 大きなものは つかんだまま ちょっとづつ食べることもできたのです。
  • 番組D「やっぱり 箸って便利!」
  • 実際はもっと紆余曲折はあったのでしょうが…
  • 熱いものを食べるときは 箸に勝るものはなかったようです。
  • ところで 古代中国で生まれた箸は いつから日本で使われるようになったのでしょうか?
  • 日本に箸が伝来した時期については諸説あるんですが…
  • 箸を取り入れた食事を始めたのは 7世紀初頭の遣隋使がきっかけだと言われています。
  • この当時の日本について書かれた「隋書 倭国伝(ずいしょ わこくでん)」には…
  • 「日本人は手で食事をしている」と記されています。
  • 聖徳太子 厩戸皇子(うまやどのみこ)は非常に 隋(ずい) に憧れを持っていました。
  • そこで 隋 から来た使者をもてなすときに 恥ずかしくないように…
  • 箸食を 取り入れた。
  • これはですね, 日本における箸食の始まりと言われています。
  • 日本の箸食の歴史は 聖徳太子から始まっていたのです。
  • 当初 箸は宮中や位の高い人達の間で使われていましたが…
  • 平安時代になると 街に箸売りが登場し 誰もが箸を使うようになったと言われています。
  • ちなみに 手食の文化圏の人から箸食を見ると…
  • 神様からいただいたものを 道具を使って食べる その方が大変失礼である。
  • 手でも味わいながら食べないのは ちょっともったいないんだそうですね。
  • 一方 箸は食べ物をつまんだり 切ったり 解したりもできるため 食事をするうえで欠かせない道具として日本に定着していきました。
  • そうですよね 先生。
  • 新谷先生「美味しものっていうのは いきなり手で行っちゃいますよね エビフライとか アジフライとか しっぽを持ってかじるのが上手いんですよね」

チコちゃんに叱られる!なぜ箸を使う? まとめ

今回は チコちゃんに叱られる!なぜ箸を使う?
について情報発信させていただきました。