7月10日放送のチコちゃんに叱られる!で
殺菌・滅菌・除菌・抗菌の違いってなに?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!殺菌・滅菌・除菌・抗菌の違いってなに?
殺菌・滅菌・除菌・抗菌の違いってなに?
答えは、
殺菌は菌を殺すこと 滅菌は菌を完全に殺すこと
除菌は菌を取り除くこと抗菌は増えないようにしている
詳しく教えてくださるのは
細菌やウィルスに詳しい
日本環境感染学会 薬学博士
木津 純子 先生(きづ じゅんこ)
- 皆さんは普段の生活の中で殺菌とか除菌と書かれた製品を何となく使っていませんか?
 - それらの表示は似ているようで全然違うものなんですよ。
 - 一般的な製品に書かれた殺菌・滅菌・除菌・抗菌の表示については 様々な法律や規約によって定められています。
 - 基本 菌やウィルスは何もしないとどんどん増えていくんですけれども…
 - その菌やウィルスにどのような効果を与えるかで表現は分かれてくるんですよ。
 - どういうことなのか?
 - まずは殺菌から見ていきましょう。
 - 殺菌は菌を殺すことをいいます。
 - その中でも主に 病原菌などの有害な微生物を殺すことを消毒といいます。
 - 殺菌や消毒といった表示は法律にのっとった医薬品や医療機器 医薬部外品だけに使い事ができます。
 - 皆さんが手の消毒によく使っているアルコールのスプレーありますよね。
 - あれはアルコールが手についている菌の中に入り込んで殺してしまうことで 手がキレイになるんですよ。
 - それでは アルコールはどのようにして細菌を殺しているのでしょうか?
 - 私達の手には目に見えないほどの小さな細菌や微生物が無数に存在していて…
 - 中には人間に悪影響を及ぼすものもいます。
 - そこにアルコールのスプレーを吹きかけると細菌よりも小さなアルコールの分子が細胞膜に入り込み その膜を壊して中身を溶け出させたり中にあるたんぱく質や器官を変化させて栄養を取れなくさせたりして殺すのです。
 - 他にもアルコールが蒸発する際に細菌から熱や水分を奪って殺す効果もあります。
 - また ウィルスの場合はエンベロープという膜を壊すことで細菌と同じように活動できなくさせているのです。
 - アルコールで殺菌できるということはわかっているんですけれども…
 - なぜ そういうことが起きるのかということは まだわかっていないんですよ。
 - ちなみに 細菌やウィルスの中にはアルコールがほとんど効かないものもいるので 過信は禁物です。
 - ここで ある疑問が…
 - 番組D「アルコールのスプレーで菌って死ぬのに人間ってしなないんですか?」
 - 木津先生「それは大丈夫なんですよ」
 - 木津先生「人間の皮膚っていうのは多くの機能を持つ多くの細胞で出来ているので あまり影響はうけないんですよ」
 - 細菌は1つの細胞からなる単細胞生物なので 細胞の死とは つまり細菌の死を意味します。
 - しかし 人間は無数の細胞が集まってできている多細胞生物。
 - アルコールの影響で皮膚の表面の細胞のいくつか死んだとしても新たな細胞が生まれるため人間の命に影響はありません。
 - さらに死んだ細胞である角質がバリアとなって守っているので人体にほとんど影響はないのです。
 - そして滅菌 これはほぼすべての微生物を完全に殺すことをいいます。
 - 例えば 高温で熱したり特殊なガスを使うことで限りなく無菌に近い状態にできます。
 - そうすることで 医薬品や医療器具を清潔に使えるのです。
 - 番組D「例えばですけど 野球でいったら 殺菌がノーヒットノーランで滅菌が完全試合って感じですかね」
 - 木津先生「すっ あっ うーん ね ノーヒットノーラン 感動しますけどね」
 - 続いては除菌 これは細菌を取り除いて活動を抑えることをいいます。
 - 菌の活動を抑えるということですので つまり菌は生き残っていることがあるっていうことになります。
 - 例えば除菌のウェットティッシュは 直接細菌をふき取って数を減らしたり ふき取った後もウェットティッシュに含まれた薬品の成分で細菌の増殖を抑える効果があります。
 - しかし きちんと拭けていなかったり 薬品の影響を受けずに細菌が生き残ったりする可能性があるので こまめに除菌することをオススメします。
 - 気を付けたい方がいいのは 拭き取ったウェットティッシュを そのままゴミ箱に捨ててしまいますと…
 - 乾いたときに菌とかウィルスが飛び散ることがありますので できればビニール袋などに入れて封をしっかりと閉めてからお捨てになるといいですね。
 - 最後に抗菌 これは菌の増殖を抑えることをいいます。
 - 学術的には 殺菌とか除菌とかいった すべての菌に対する効果を抗菌というふうにいうんですけれども…
 - 私たちがよく使っているのは 抗菌加工された製品というときの抗菌ですよね。
 - 抗菌加工の製品には 細菌が嫌がる成分が含まれていて その表面で細菌の増殖を抑えることが目的。
 - 例えば 銀や銅などで抗菌加工されたものは 金属中のイオンが細菌のタンパク質と結び付いて活動を抑えると言われています。
 - しかし 抗菌加工の製品は 増殖を防いでも 表面に菌がいる可能性があるため しっかり洗うなど清潔に保つ必要があります。
 - つまり 殺菌・滅菌は細菌をしっかり殺すことで清潔に。
 - そして 除菌や抗菌は増殖を抑えて清潔に保つ効果があるのです。
 - お酒を飲めば殺菌できると思っていらっしゃる方もいますが…
 - アルコール度数が70%~80%の濃度のお酒を飲んだとしても胃の中で色んなものと混ざって濃度が薄くなって 悪い菌のほとんどが腸にいるんですね。
 - なのでアルコールの効果は届かないので基本的にお酒を飲んで体内を殺菌するっていうことはできません。
 - 高濃度のアルコール飲料を薄めずに飲むと のどや食道を傷つけることもあるので ご注意ください。
 
チコちゃんに叱られる!殺菌・滅菌・除菌・抗菌の違いってなに? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!殺菌・滅菌・除菌・抗菌の違いってなに?
について情報発信させていただきました。
