12月24日放送のチコちゃんに叱られる!で
日本人が写真を撮るとき笑顔になるのはなぜ?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!日本人が写真を撮るとき笑顔になるのはなぜ?
日本人が写真を撮るとき笑顔になるのはなぜ?
答えは、ニコニコ主義があったから
詳しく教えてくださるのは
日本文化史を教えながら笑顔の歴史について調査した
大阪大学 日本語日本文化教育センター 教授
岩井 茂樹 先生(いわい しげき)
- 今 写真を撮る時って笑顔で撮ることが多いですよね
- でも江戸時代末期に撮られた写真は どれも笑顔でなく真面目な硬い表情なんだそうです
- 写真の技術が日本に伝わってきたのは 1854年ペリーの艦隊が日本に2度目の来航をしたときといわれているそうです
- その艦隊に乗船していた写真家 エリファレット・ブラウンン・ジュニアが日本人が写った最古の写真を撮影したそうです
- その写真がこちら
- その顔は真面目で険しい表情をしています
- 同時期にブラウンによって撮られた他の写真を見ても誰一人として笑顔の人はいないそうです
- 笑顔で写らなかった日本人が なぜ笑顔で写真に写るようになったのか
- そのことについては 長い間ハッキリしたことは解っていなかったそうです
- しかし 3年の調査と研究の末
- 2020年に岩井先生が書いた論文で発表されたそうです
- 岩井先生の論文『「笑う写真」の誕生』によると…
- その頃 鏡の中でしか自分の姿を見たことがなかった日本人は 写真に自分の姿を写し取られること自体に気後れし とても笑って写真を撮るような状況ではなかったそうです
- そして この時代 男性は 公の場ではゲラゲラ笑うことはせず 威厳を保ち
- 女性も公の場では口元を押さえて笑うという習慣があったそうです
- さらに この頃の写真機は 光を取り込むまでの露光時間が長く写される人は およそ2分間じっとしていなければならず
- そもそも笑顔をキープすのが難しかったので真面目な表情になってしまったとも言われているそうです
- 以上のような理由から この時代 笑顔の写真はなかったのではないかと想像できるそうです
- では 人々は いつから笑顔で写真に写り始めていたのでしょうか?
- それは 明治時代の終わり
- ある男の行動がキッカケで人々が笑顔の写真を撮るようになったそうです
- 時は明治37年 日本は日露戦争に入り多くの人々が亡くなったそうです
- その後も戦争による不況や社会主義者などが弾圧 処刑された大逆事件などが起こり…
- 世の中はどんどん暗くなっていったそうです
- そんな中 ある男が暗くなった日本を笑顔で明るくしようとしたそうです
- 牧野元次郎
- 明治44年 牧野が発刊した ある雑誌によって人々は笑顔で写真を撮るようになったそうです
- その雑誌の名前は「ニコニコ」
- 中身を見てみると笑顔 笑顔 笑顔
- 笑顔の写真が多数掲載されているそうです
- 「ニコニコ」に掲載された写真がキッカケで 日本全国に笑顔の写真が増えていくことになったと思われると岩井先生
- 雑誌「ニコニコ」を作った牧野は 編集者やライターたちと「ニコニコ倶楽部」という組織を結成し雑誌の中で「ある主義」を唱えたそうです
- それが「ニコニコ主義」
- 「ニコニコ主義」について牧野は こう綴っているそうです
世の中のことはすべて
ニコニコ的に解決する
平和も成功も皆
このニコニコ主義より
生ずるものと信じる
- つまり「ニコニコ主義」があれば全て平和に収まると考えていたそうです
- 当時 世界で一番の先進国で景気が良かったアメリカが「楽天主義」という
- 明るい気分で積極的に働こうという思想で成功していたそうです
- 牧野はそれに習って暗い空気に包まれていた日本を笑顔で明るくしていこうということで「ニコニコ主義」を唱え始めたそうです
- そんな牧野のことをより詳しく知るため 牧野元次郎の孫である寺本圭一さんに話を伺いったそうです
- 「おじいちゃんが「ニコニコ主義」を唱えたのは 当時暗くなっていた日本を明るくする意図があったと聞いています 「ニコニコ主義」を広めるために いろいろな活動をしていたようですよ」
- 牧野は当時 東京にあった今の「りそな銀行」につながる「不動貯金銀行」の頭取でもあったそうです
- その人脈を活かして雑誌の影響力を広めるために ある戦略をとったそうです
- 大物財界人たちにも「ニコニコ主義」の賛同を求めたそうです
- その一人が2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公としても取り上げられ新1万円札の顔にもなる渋沢栄一
- 残っている写真は真面目な表情が多い渋沢も雑誌「ニコニコ」の中では大黒様のような素敵な笑顔で写真が載っているそうです
- 牧野は この笑顔に惚れ「渋沢はニコニコの好モデルである」と書くほどだったそうです
- 他にも日露戦争の司令官として指揮した陸軍大将・乃木希典も「ニコニコ」の中ではクシャッとした飛び切りの笑顔だそうです
- さらに「ニコニコ主義」は文学界にも
- 文豪・夏目漱石も雑誌「ニコニコ」の中では 唇の端をゆがませたニヒルな笑顔で掲載されているそうです
- その写真は 夏目の生涯で唯一の笑顔の写真と言われているそうです
- さらに歌集「みだれ髪」などで有名な歌人・与謝野晶子も「ニコニコ」の中では みだれた髪を恥ずかしそうに隠しているような笑顔だそうです
- 他にも数々の著名人の笑顔の写真を掲載した雑誌「ニコニコ」
- なぜこんなにも著名人の笑顔に写真が撮れたのでのでしょうか?
- 牧野が率いる雑誌の発行元「ニコニコ倶楽部」は各界の著名人の集まりそうなパーティーに押しかけて その場で交渉し「ニコニコ」の写真を撮ったそうです
- 牧野は雑誌「ニコニコ」を不動貯金銀行でも販売したそうです
- さらに銀行に一定のお金を預けてくれた人にタダで配ったそうです
- 不動貯金銀行が地方にどんどん増えていく中 人々が目にする機会も増えていったそうです
- 当時 日本一の売り上げだった雑誌「婦人世界」の発行部数は8万部
- 「ニコニコ」はそれに迫る7万部を発行
- 著名人の笑顔の写真が見られる貴重な雑誌ということで話題になったそうです
- こうした牧野の行動によって笑顔の写真が世間に広まっていったと思われるそうです
- さらに この頃 それまで撮影におよそ2分かかっていたのが数秒の露光時間で撮影が可能になり技術的にも人々は笑顔で写真に写りやすくなっていき日本中に笑顔の写真が広まっていったそうです
- 「牧野さんの写真って持ってるんですか?」と番組スタッフが孫の寺本さんに聞いてみたそうです
- 「いや 僕が持ってる笑顔の写真はこれだけです」と寺本さんが見せてくれ写真の牧野の写真はおだやかですごくいい笑顔の写真だそうです
- ※日本人が笑顔で写真に写るようになった理由には諸説あるそうです
チコちゃんに叱られる!日本人が写真を撮るとき笑顔になるのはなぜ? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!日本人が写真を撮るとき笑顔になるのはなぜ?
について情報発信させていただきました。