12月19日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜ鉛筆で字が書ける?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!なぜ鉛筆で字が書ける?
なぜ鉛筆で字が書ける?
答えは、芯がトランプのカードのようにはがれていくから
詳しく教えてくださるのは
鉛筆の原料について研究する
青山学院大学 理工学部 電気電子工学科 教授
黄 晋二 先生(こう しんじ)
- 鉛筆の芯は黒鉛と粘土が混ぜ合わさってできているんです。
- 鉛筆の芯は黒い色を付けるための黒鉛と それを固める粘土で構成されています。
- この黒鉛と粘土の割合で鉛筆の硬さ・濃さが決まっているのです。
- 例えばHBの鉛筆では黒鉛がおよそ70% 粘土がおよそ30%
6Bの鉛筆では黒鉛がおよそ80% 粘土がおよそ20%
6Hの鉛筆では黒鉛がおよそ40% 粘土がおよそ60%
※メーカーによって割合は異なります。 - 黒鉛が多くなると濃く柔らかい芯に 粘土が多くなると薄く硬い芯になるのです。
- では なぜ鉛筆で字を書くことができるのでしょうか?
- それは 黒鉛の結晶構造に理由があるんです。
- 鉛筆の芯の原料である黒鉛を電子顕微鏡で見てみると…
- シートのような物が積み重なった層状の構造になっています。
- この層と層の結びつきは原子の結合の中でも非常に弱くはがれやすいのです。
- 鉛筆で字を書くと目には見えない紙の凹凸に この層が引っかかって シート状にはがれることで字が書けます。
- シート状にはがれるとは いったい?
- 鉛筆の芯をトランプの束に置き換えて説明しましょう。
- まず 凹凸のあるゴムシートを敷き その上でトランプをスライドさせていきます。
- トランプはゴムシートの凹凸に引っ掛かって広がっていきます。
- つまり 紙の表面の凹凸に黒鉛の層が引っ掛かり黒い線となって残るのです。
- そのため 凹凸がないプラスチックやガラスなどには書けません。
- 鉛筆で紙に書いた部分を拡大してみると…
- 大きさは それぞれですが確かにシートのような形で黒鉛が紙に付着しています。
- 消しゴムで字が消せる理由は…
- 紙の凹凸に引っ掛かったシート状の黒鉛を粘着性のあるゴムで絡め取ることで消せているのです。
- ところで この鉛筆1本でどれくらい書けるのでしょうか?
- HBの鉛筆1本で50km書けると言われています。※筆圧300gの場合
- 番組D「文字数にすると どのくらい書けるんでしょうか?」
- 黄 先生「それぜひやってみてください」
- 番組D「僕がですか?」
- 黄 先生「(笑顔で)はい 実験」
- ということで 鉛筆1本で何文字書けるか検証。
- 番組Dが用意したのは物凄く長いことで知られる小説…
- 「失われた時を求めて」(マルセル・プルースト著・井上 究一郎訳著・ちくま文庫)
- マドレーヌを食べた瞬間に思い出した記憶など 何かの拍子に蘇った記憶について全10巻も書かれた物語
- これを400字詰め原稿用紙に書き写していきます。
- 書き始めて1時間が経過
- 書けたのは1200字 原稿用紙3枚
- 肝心の鉛筆はほとんど減っていません。
- ADからアドバイスが…
- AD「鉛筆1mmで何文字書けたか計算すれば すぐわかるじゃないですか」
- 鉛筆1mm減らすのに「働き方改革」(5文字)を80回かけました。
- 鉛筆の長さはおよそ176mmなので…
- 鉛筆1本で「働き方改革」という5文字を…
- 80回 × 176mm = 14,080回
- つまり鉛筆1本で およそ70,400字書ける ということがわかる仕事をしました。
- 鉛筆1mmで「働き方改革」5文字 × 80回 = 400字…
- つまり原稿用紙1枚書けるということなんですね。
- 鉛筆に長さは約176mmなので…
- 1本鉛筆で原稿用紙176枚書けるということになります。
- ※番組独自の実験によります。
チコちゃんに叱られる!なぜ鉛筆で字が書ける? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!なぜ鉛筆で字が書ける?
について情報発信させていただきました。