4月30日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜあなた(生き物)は眠る?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!なぜあなた(生き物)は眠る?
なぜあなた(生き物)は眠る?
答えは、飢え死にしないため
詳しく教えてくださるのは
睡眠を長年研究している
秋田大学 大学院医学系研究科 教授
三島 和夫 先生(みしま かずお)
- 生き物が眠るのはエネルギーを使い切って飢え死にしないために身に着けた能力なんです。
- 私たち生き物が生きていくためにはエネルギー つまり食料が必要ですよね。
- 例えば 人間はご飯を食べます。
- それをエネルギーに変えて その中から生きていくために必要なエネルギーを消費していきます。
- 人間は特別何もしていなくても内臓を動かしたり呼吸をしたりしてエネルギーを使います。
- これを基礎代謝と言います。
- 残りのエネルギーで私たちはいろんな活動をする事ができるんです。
- もし 食事でとったエネルギーを使い切らずに余らせると脂肪として蓄えられるので太ります。
- 逆に食事でとったエネルギーを使い切ってしまうと…
- 今度は蓄えていた脂肪をエネルギーに変えて使って行くので痩せていきます。
- 現代では人間はいつでも ご飯にありつけるので太る痩せるといった話で済みますが…
- いつ ご飯にありつけるか分からない自然界ではエネルギーの消費は まさに生きるか死ぬかの問題なんです。
- つまり 次にいつご飯にありつけるか分からない状態で…
- もし全てのエネルギーを使い切ってしまうと生き物は死んでしまいます。
- そこで生き物は よりエネルギーを消費しないで餓死しないための作戦として眠るという行為を身に着けたと考えられます。
- 突然ですが…
- ネズミとゾウの睡眠時間はどちらが長いと思いますか?
- 番組D「なんか のんびりしてそうなのでゾウじゃないでしょうか?」
- 答えは…
- ネズミなんです。
- ネズミの睡眠時間は なんと14時間くらいもあるんです。
- 例えば体長5cmほどのトウキョウトガリネズミはエサを食べて少しすると動かなくなり眠ったように見えます。
- そして少しすると エサを食べ眠ったようです。
- 1日24時間を円グラフにすると1日12食12回食っちゃ寝 食っちゃ寝したことがわかり睡眠時間は1日14時間にもなります。
- 体の小さい動物はよく動き回るため食べたエサのエネルギーをすぐに使ってしまうんです。
- そのため エサをとる時間以外 なるべくジーっとしている時間を増やしたんです。
- これが睡眠の始まりだと考えられています。
- 一方 ゾウは動きがゆっくりしています。
- エサから得たエネルギーは体重当たりで換算すると そこまで消費されていません。
- ゾウは わずか2時間くらいでも生きていけるといわれています。
- 体が大きい生き物は食べる量も多く食事でとったエネルギーを使ってしまう度合いは小さいので そこまで節約する必要が無く睡眠時間は短めなのです。
- 今のところ地球上に生きている生き物で眠らない生き物はいないんじゃないかと考えています。
- 例えば昨年 九州大学の研究チームによって 顕微鏡レベルの小さな生き物でも眠ることが発見されました。
- 水辺に住む体長5mmほどのヒドラ。
- クラゲやサンゴの仲間です。
- 昼間は活発に動いているのに対して夜間は動きがほとんどないことがわかりました。
- 光の刺激を与えると 再び活発に動くことから これが眠りということが解ったのです。
- アメリカではクラゲが眠ることも発見されました。
- こういう生物もエネルギーを消費しないために眠るという技を身に着けて生き延びたと考えられます。
- もしかしたら眠りは地球に生命が誕生した直後には もう備えられていた機能かもしれないですね。
- ところで 本当にゾウは2時間しか寝ないのでしょうか?
- 市原ゾウの国のゾウ舎で確認。
- 飼育担当の佐々木麻衣さんに聞いてみました。
- 番組D「このゾウは どれくらい寝てるんですか?」
- 佐々木さん「大体4時間くらいですね」
- 番組D「えっ!4時間なんですか?」
- 佐々木さん「はい」
- 2時間ではなく4時間も寝ていたので先生に報告することに。
- 三島先生「あ そうですか…だいぶ寝てますねー 野生よりも動物園などの飼育下では動物の睡眠時間が伸びるっていう話も聞いたことがあります」
- 念のため いろいろな動物の生態に詳しい この番組でもおなじみの…
- 日本動物科学研究所 所長 ねこの博物館 館長 今泉 忠明 先生にも話をうかがうと…
- 今泉先生「ゾウはどうやって寝てました?」
- 番組D「寝転んで寝てました」
- 今泉先生「野生のゾウはライオンなどの天敵を警戒してることもあって立って眠ることが多いんです 横になって眠るっていうことは天敵に襲われる心配がなくなって食事以外の暇な時間を睡眠にあてたから睡眠時間が伸びたんだと考えられます」
- 番組D「ゾウって暇だから寝てるんですか?」
- 今泉先生「まあ そうですよね やることなさそうですもんねぇ」
- ということで動物園や水族館の動物たちの貴重な寝姿を聞いてみました。
- まずは魚津水族館のゴマフアザラシ。
- プールの中で垂直に立って頭だけを出して眠るそうです。
- 飼育研究係の泉 拓朗さんに説明していただきました。
- 泉さん「ゴマフアザラシは水中で寝ることもあるんですけど 呼吸がしやすいように顔だけ出して立って寝たりすることもありますね」
- 続いて名古屋市東山動物園のコアラ。
- 動物園でもよく眠っている姿が見られるコアラの睡眠時間は…
- 飼育員の山田 知香さんに説明していただきました。
- 山田さん「15時間から18時間くらい眠っています エサのユーカリの毒を無くすのに疲れてしまい長く眠らなければいけないんです」
- サンシャイン水族館のコツメカワウソ。
- 飼育スタッフの芦刈 治将さんに説明していただきました。
- 芦刈さん「コツメカワウソのマハロは寝る直前になると人間のように仰向けで大の字になります お腹を向けて寝るのは飼育下で安心して寝ているときに見られます」
- 続いては 須磨海浜水族館のラッコ。(※現在ではラッコは展示していないそうです。)
- 動物学者の今泉先生に説明していただきました。
- 今泉先生「野生では流されないように そして天敵から身を隠すように昆布などの絡まって寝るんですが 水族館だと海藻のの代わりに仲間の手をつかんで眠ることがありますね」
- 仲がいい2匹のラッコだけがおこなうそうです。
- 仲間の手をつかんで眠るラッコの姿はなかなか見られないそうです。
- 上野動物園のジャイアントパンダのシャンシャンの寝姿は…
- 高い切り株の上で洗濯物が干されたような寝姿から 付いたあだ名は”干しシャン”だそうです。
チコちゃんに叱られる!なぜあなた(生き物)は眠る? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!なぜあなた(生き物)は眠る?
について情報発信させていただきました。