3月19日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜアルミホイルは片面だけキラキラ?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!なぜアルミホイルは片面だけキラキラ?
なぜアルミホイルは片面だけキラキラ?
答えは、薄くするため
詳しく教えてくださるのは
日本初の家庭用アルミホイルを製造した
大阪・大阪市 東洋アルミニウム株式会社 代表取締役社長
楠本 薫 先生(くすもと かおる)
- アルミホイルが片側だけキラキラしているのは薄さを追求しようとしたからなんです。
- アルミホイルの薄さは0.011mmしかないんですよ。
- 髪の毛とほぼ同じ薄さなんです。
- アルミホイルが生まれたのは 今から100年以上前の1911(明治44)年。
- ドイツのラウバー博士がフレーク状のアルミを薄く広げアルミ箔を作ったのが始まりです。
- 当時は食品用ラップフィルムなどが無く 湿度を防ぐこん包材として使われていました。
- それまでは スズで作ったスズ箔が使われていましたが 食品に金属のニオイがつくという難点が。
- アルミは この問題を解決。
- さらに 安くて強度が高く香りを保ち 防虫効果もあることから重宝されるように。
- 日本へやってきたのは1930(昭和5)年ごろ。
- タバコやチョコレートのこん包材として使用されます。
- 実は当時のアルミ箔は 厚さ0.008mmでした。
- 番組D「今のアルミホイルより薄いってことですか?」
- 楠本さん「そうなんです でも その厚みでしたら そのままでは使えず 大体はアルミと紙の貼り合わせをして使っていました」
- いわゆる銀紙です。
- では いつ今のようなアルミだけのホイルになったのでしょうか?
- 東洋アルミニウム㈱では1958(昭和33)年に日本で初めてオーブン料理に使うためのアルミだけの家庭用アルミ箔を発売しました。
- ちなみに この当時の薄さは0.015mmでした。
- さらに薄くて耐久性があって使いやすいアルミホイルを追求した結果 現在の0.011mmになりました。
- この薄さを作り出すため 片側だけキラキラしたアルミホイルになってしまうんです。
- 薄さを追求すると 片面だけがキラキラになるとは どういうことなのでしょうか?
- 今回 特別に東洋アルミニウム㈱千葉製造所で製造過程の説明をしていただきました。
- アルミホイルの工場に潜入です。
- 千葉製造所は圧延工場でアルミ箔を薄くする工場です。
- 今回、説明していただくのは製造部 入社16年目の村上 巧さんです。
- 工場の中にはアルミホイルの原料となる箔地(はくじ)がたくさんあります。
- 箔地の厚みはけっこう分厚く0.3mmです。
- この0.3mmのアルミが どのようにして 0.011mmになるのでしょうか?
- まず0.3mmのアルミを 圧延機で薄くのばしてアルミホイルにします。
- およそ1.5トンあるローラーでアルミを挟み薄くのばしていきます。
- まずは0.3mmのアルミを0.1mmに薄くのばしていきます。
- 0.3mmのアルミを圧延機にかけるとなにやら大量の液体が出てきました。
- 番組D「この大量の液体はなんですか?」
- 村上さん「これは圧延するときに使う潤滑油です アルミ箔を圧延いたときの焼き付き防止として潤滑油として使用します 数千リットル1分間に出してます」
- 油をかけながら次々に幅の狭いローラーにかけてのばしていくこと3回。
- 3回圧延したアルミは0.022mmになります。
- 0.022mmのアルミを見ると両面キラキラになっています。
- そう この時点では まだ両面がキラキラの状態。
- このあとの工程にキラキラが片面だけになってしまう秘密が…
- ここでのローラーの間隔は0.022mmになる設定。
- どうやって0.011mmにするのでしょうか?
- まず 0.022mmまで薄くなったアルミを1枚引き出し もう1つのアルミロールに乗せました。
- これはいったい?
- アルミ箔を2枚重ねて圧延する重合圧延という工程です。
- 番組D「薄くするのに2枚かさねちゃうんですか?」
- 村上さん「はい 2枚重ねます」
- なんと アルミを2枚重ねてローラーの中へ。
- 1枚0.022mmだったアルミホイルは0.011mmになって送り出されます。
- 完成したアルミホイルを見せていただくと…
- 2枚合わせて圧延したアルミホイルは両面共にキラキラしています。
- しかし…
- この2枚をはがすと アルミ箔が重なったどうしの面が艶の無い面 キラキラじゃない面になります。
- 番組D「本当だ!すごい!」
- そうこれが 片面だけキラキラになっていた理由。
- アルミの外側は ローラーによって表面が整えられピカピカになりますが…
- 内側は アルミニウムが自由に変形するためデコボコになります。
- それをはがすので片面がデコボコに。
- 表面がツルツルだと光をそのまま反射するのに対し デコボコの面は光が乱反射してくすんで見えるのです。
- しかし なぜ2枚を重ねる必要が?
- 薄くしたいのならローラーどうしをどんどん近づけていけばいいはずですが…
- 近づけ過ぎると ロールどうしが接触してしまって アルミ箔が裂けて薄くできなくなります。
- そこでローラーどうしの間隔を保ちつつ0.011mmという薄さになるように2枚重ねて作ることにしたのです。
- 村上さん「効率と薄さを求めるために2枚圧延をしています」
- ちなみに お餅を焼くときは くっつかないようにキラキラの面を上に…
- ホイル焼きのときは 熱が伝わりやすいように キラキラを外に なんて聞いたことありませんか?
- アルミホイルは どう使うのがただしいのでしょうか?
- 楠本さん「アルミホイルは実は表も裏もないんです どちらを使っても効果は同じなんで 使いやすい方を使っていただければ結構です」
- 番組D「え~! もっと早く知りたかったですね…」
- 楠本さん「・・・・・」
チコちゃんに叱られる!なぜアルミホイルは片面だけキラキラ? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!なぜアルミホイルは片面だけキラキラ?
について情報発信させていただきました。