9月2日放送のチコちゃんに叱られる!で
なぜ人は12個で物をまとめたがる?
という質問がありました。
チコちゃんに叱られる!なぜ人は12個で物をまとめたがる?
なぜ人は12個で物をまとめたがる?
答えは、争いが起きにくいから
詳しく教えてくださるのは
算数・数学教育を研究している
帝塚山大学 教育学部 教授
城田 直彦 先生(しろた ただひこ)
- 先週「時計はなぜ12時までなのか?」という疑問の中で。
- 古代エジプト人が星の観測から1年の長さや時間を調べたところ…
- 目印にしていた星シリウスが日没から12番目に観測され そこで夜が明けたから夜を12等分し時計の12時が誕生したとお伝えしました。
- さらに月の満ち欠けがおよそ30日周期で それを12回繰り返すと同じ季節が来ることから…
- 1年を12か月とする考え方が生まれたそうです。
- このように人類は天体を観測して12という数字を見つけました。
- ということは私たちが現在 色々な物を12個づつ数えるのも天体観測によって生まれた数え方が元になっているのでしょうか?
- 「いいえ 実はそうじゃないんです」と先生はおっしゃいます。
- 時間を12で表す そのずっと前から12という数は人類にとってとっても大事な存在だったんです。
- 実は時計の12が発見される前から12は人類にとって欠かせない数だったそうです。
- 狩猟したり採集したりしていた時代から仲間同士で食料や物を分けるということは とっても切実な問題だったそうです。
- そして分けるという観点でみると12という数は とっても都合がいい数なんです。
- 12は都合がいい数?
- ピザを分ける時を例に説明しましょう!
- まず10枚切りの場合。
- 10人で1人1枚づつを除けば2人か5人でしか均等に分けることができません。
- では1枚減らして9枚だと3人でしか均等に分けることができません。
- それが12枚だと2人でも3人でも4人でも6人でも分けることができます。
- 他の数と比べて12は分けられるパターンが多く均等に分けるのにとても都合がよい数だったのです。
- こんなふうに12という数だと争いが起こりにくいんです。
- 番組D「だから12というのは昔から使われていたということなんですね?」
- 城田先生「そうですね」
- 人類は数字が書けるずっと前から12の性質は使っていたんだと城田先生はおっしゃいます。
- そして12という都合のよい数を身近に感じていた人類に さらなる大発見が訪れます。
- 時計の12時と1年を12個に分ける考え方です。
- 番組D「その発見された12と先ほど先生が言っていた12で分けるというのは関係しているんですか?」
- 城田先生「いえ 直接は関係していません これはものすごい偶然の一致なんです」
- 番組D「ということは12という数は人類にとって欠かせない数になっていったということですか?」
- 城田先生「そうです」
- 12をひとまとめにする考え方を持っていたので さらに12を使いたいという気持ちの後押しをしてくれたと思いますと城田先生はおっしゃいます。
- こうして12でひとまとめにする12進法という数の数え方が世界に広まっていきました。
- 例えば数の呼び方です。
- 英語だと one(ワン) two(トゥー) three(スリー) four(フォー) five(ファイブ) six(シックス) seven(セブン) eight(エイト) nine(ナイン) ten(テン) eleven(イレブン) twelve(トゥエルブ) thirteen(サーティーン) fourteen(フォーティーン) fifteen(フィフティーン)
- 明らかにthirteen(サーティーン)から呼び方が変わってますよね。
- 他にもドイツ語 eins(アインス) zwei(ツヴァイ) drei(ドライ) vier(フィーア) fünf(フュンフ) sechs(ゼックス) sieben(ズィーベン) acht(アハト) neun(ノイン) zehn(ツェーン) elf(エルフ) zwölf(ツヴェルフ) dreizehn(ドライツェーン) vierzehn(フィアツェーン) fünfzehn(フュンフツェーン)
- やオランダ語 een(エーン) twee(トヴェー) drie(ドリー) vier(ヴィール) vijf(ヴェイフ) zes(ゼス) zeven(ゼーヴェン) acht(アハト) negen(ネーヘン) tien(ティーン) elf(エルフ) twaalf(トヴァールフ) dertien(デルティーン) veertien(ヴェールティーン) vijftien(ヴェイフティーン)
- でも12までと13以降の呼び方が明らかに変わっています。
- さらに鉛筆が12本で売られていて1ダース2ダースなんて数え方しますよね。
- ダースという数え方は 日本やドイツや多くの世界で使われております。
- それからアメリカで使われている長さの単位フィートという単位だと1フィートが12インチなんです。
- それからイギリスだと1971年までシリングという通貨がありましたが1シリングが12ペンス。
- こんな風にいろんなところで12をひとまとめにする文化が残っていました。
- 一方で人類が最初に使ったとされる古代エジプト文明の数字は10ずつ位が変わる10進法。
- 10という数え方は指の数から生まれたといわれています。
- だから人類にとってはとても身近で数えやすい方法だったのです。
- このように世界では10づつ数える10進法12ずつ数える12進法の両方が混在。
- 数え方が違うことで国同士が物の売り買いをするときに混乱がおこり1875年10進法に統一する「メートル条約」が結ばれました。
- これがキッカケとなり世界で10進法が主流になっていったのです。
- ただ 皆さんの身の回りを思い出してください。
- 10個じゃなくて12個でひとまとめになっているものが溢れていますよね。
- 例えばトイレットペーパーも12ロール入り。
- イチゴも1パック12個入り。
- さらにお中元のビールもドーナッツも赤福餅も野球ボールもゴルフボールも12個でひとまとめ。
- いったいなぜ 今でも12個をひとまとめにして売っているのでしょうか?
- それは 12という数が分けやすいという他にも並べやすいとい性質を持っているからなんです。
- 例えば商品を並べるときに10個入りだったら1列に10個か2×5にするか。
- これしか方法がないんですけど…
- 12入りだと 3×4 4×3 とか色んな置き方のバリエーションが増えるんです。
- 12個だと売る方も並べやすい。
- 買う方も分けやすい。
- 売り手も買い手もWIN WINな数なんです。
- この観点から見ても12は一番争いが起こらない数なんです。
- 12個で物をまとめる由来について…
- 争いが起きにくいというほかにも、諸説ございます。
チコちゃんに叱られる!なぜ人は12個で物をまとめたがる? まとめ
今回は チコちゃんに叱られる!なぜ人は12個で物をまとめたがる?
について情報発信させていただきました。